【内科勤務医が語る】市中病院勤務医の勤務スケジュール:当直編【リアルナイトドクター】

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医者看護師夫婦からの後輩へのアドバイス
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こんにちわ。

masaです。今日は以前公開したブログ記事の延長で、「市中病院勤務医の勤務スケジュール:当直編」について記事にしていきます。masaが高校の同級生(他職種)と話をした時に「おまえまじか・・・」とどん引きされたため、「一般の人の理解はかなり違うんだな・・・」と印象に残ったのを覚えています。

そのため今日は一般の人が知っているようでしらない「当直」について話をしていきます。時間外労働?なにそれ?と言わんばかりの生活スタイルに驚くこと間違いなし。では見ていきましょうか。
では始めに、本日のまとめです。
「今日話す事」
・当直の考え方とはなにか
・当直と夜勤の違い
・当直明けの勤務パフォーマンス

「見て欲しい人」
・医者の勤務体系に興味がある人
・「当直」と聞いてイメージがわかない人
・医者になる前に心の準備をしたい医学生

「結論」
・【夜勤】と【当直】は似てるようで大きく違う
・連続40時間越えの勤務もあった
・当直明けで外来・手術をするのは普通にある。
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では本題に行きましょう。

当直ってなぁに?

そもそも当直とは

医療業界の人以外には聞いた事ない単語ですよね?「当直」

 

ざっくり言ってしまえば、【時間外の急変・業務に備えて病院に泊まること】が主な業務になります。まずそもそも(もちろん勤務する病院にもよりますが)基本的に通常勤務は「8時30分〜17時15分」になります。その17時15分を回った後から、朝の8時30分を迎えるまでの15時間15分の間、他の医師が家に帰っている間病院の無事を守るのが「当直医」の役目になります。

主治医や担当医がいない夜間の時間の入院患者さんの急変や看護師からの相談、救急外来を受診した患者さんの診察・対応が主な仕事になってきます。

救急当直と病棟当直

さて、夜の時間働く業務が「当直」という話をしましたが、働き方は病院毎に違いがあります。

皆さんは一般的に夜の医者の仕事をイメージする時に、救急外来に急変して訪れた患者さんを見る仕事をイメージされると思いますがそれだけが当直ではありません

大きく分けると当直には2つの当直が存在します。1つめが救急当直、2つめが病棟当直。病院によって呼び方は様々ですが、前者が夜間の救急外来を担当するのに対し、後者は今入院している患者さんを守るのが仕事になります。病院の規模によっては両者を1人の医師がやっていることもあれば、前者の救急外来が細分化されて、内科の患者さんを見る「内科当直」と怪我や骨折を見る「外科当直」などに別れていることもありますね。

病院が大きければ大きいほど、救急指定病院であるほど複数の医師で夜の病院・外来の平和を守っていることが多いです。

 

masaが勤務している病院も3次救急指定病院なので、複数人の医師が協力して夜の平和を守っています。

単科当直と全科当直

また新しい単語ですが、その名の通り、「自分の科と思われる患者だけみればいい【単科】当直」と「救急外来or病棟にいる患者さん【全て】を見る【全科】当直」が存在します。とはいえ、基本的には市中病院を始めとする大多数の病院は1人の医師が幅広く見る【全科当直】のシステムになっているはずです。

 

理由は単純で、細分化すればするほど当直にいる医師の数が多くなってしまい、「医師の人件費が払えない」ためです。そのため元々たくさんの医者がいて、なおかつ各科独立しているくらいの規模である【大学病院】でない限りは【全科当直】になっているのが普通ですね。

masaの勤務している病院も規模は大きい方ですが、【全科当直】になっています。もちろん専門科の知識・技術が必要になればコンサルトをして引き継ぎますが、原則来た患者さんを全てみるのが基本になっていますね。

さて、ここまで【当直】という言葉について大まかに説明してきましたが、みなさん【夜勤】という言葉も同様に聞いた事がありませんか?これは看護師さんの勤務体系で良く使われます(奥さんが書いた看護師の勤務体系の記事はこちら)。

 

ただ【当直】と【夜勤】、似たような言葉なのですが、実際は大きく違います。ここが誤解されていることが多い(実際に働いている医療者サイドでも)ので、紹介していきますね。

当直と夜勤の違い

当直は原則「寝当直」、そうでなければ「夜勤」

一言で言えば副題の通りです。

 

当直は原則的に「寝当直」が想定されています。言葉の通り、担当の医師は家ではなく病院で「寝ている」だけで、働くことは想定されていません。

つまり、基本的に何も起こる事はないが、万が一なにかが起こったときに対応できるように、家では無く病院に待機する医者が1人居る必要があるため、その医師が「当直」という扱いで病院に泊まる。

 

これが本来の【当直】の意味になります。

 

どうでしょうか? 医者のみなさんからの「ふざけるな」という言葉が聞こえてくる様です。

 

もちろん病院によって患者さんが救急外来に来ることがなく、入院している患者さんの病気も落ち着いているのであれば「寝当直」がないわけではありません。が、基本的に市中病院で勤務している人達は「寝当直」なんてあり得ない、という環境で働いている人が多いのではないかと思います。

masaもその1人ですね。

では、僕らの様な働き方を本当はなんというのか、というとここで登場するのが【夜勤】なんですね。つまり、普通に【夜も勤務している】という形になるんですね。

この違い確認する意味がある?

 

と思った方。

あるんですよ。

次に詳しく見ていきますが、一言で言えば「明け」の勤務体系が変わります

看護師さんは【夜勤】

奥さんが書いてくれた記事でも紹介した通り、看護師さんの夜の勤務は【夜勤】扱いになります。これは看護師さんはきっちり時間での交代制が敷かれているからですね。

 

時間外になった瞬間に(厳密にはそんなにスムーズに移行は出来ないことも多いですが)夜勤担当(3交代なら準夜・深夜担当)に引き継ぎになります。そして、夜働いた看護師さんはその時間分の日勤分働いた扱いになります。

つまり、1回夜勤を働いた場合、通常日勤が約8時間の勤務に対し、夜勤は17:15-8:30の約15時間勤務する形になるため2日の日勤分働いた扱いになるわけです。これが、夜働くのがしんどくても乗り切れる理由ですね(by看護師妻より)。

実際昔はここまで厳密に勤務スケジュールは管理されていなかったそうなのですが、あまりにも看護師さんのブラック勤務が話題になった結果、きっちりと管理されるようになったんですね。

ざんねんなことに、本当に残念なことに「医者の交代性勤務はまだ先の様です」

テレビではナイトドクターが話題なのですが。

ここまでは一般的な話をしてきましたが、次のページからはやや具体的にmasaに特化した話をしていきましょう。

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