灰色の大学生活? 医学生の日常その① 【2019/05/11更新】

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医者看護師夫婦のプライベート
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おはようございます。
今日は少し毛色が変わったお話です。
これから日曜日は医療、とは少し一線を引いた話
が多くなるかもしれません。
興味ある方は日曜日に、ブログを覗きに来て下さいませ(^^)
今日の話は、「医学生」について

特に学業に特化して、今回はお話していきます。

大学の入学試験に合格し、
6年間の学生生活の末、
卒業試験、そして国家試験に合格するまでのお話です。

とはいえ、各大学ごとに要所要所違ったところもあるので
「いや、そこは私の知ってるところと違う!」ってなる点もあるとは思います。
基本的に僕の大学生活に基づいてお話するのはご了承頂ければ。。。

では、話をしてみますね。

○概論

基本的に、医学生の生活スタイルは、
普通の大学生と変わりません。

講義に出て、テストを受け、単位を取る。
テストに合格出来なければ追試を受ける。
上の学年に上がるための単位が足りなければ留年する

ポイントとしては
「上に上がるための単位が足りなければ」

の所です。

基本的に他の学部では、
1年目で単位を落としても、
2年目・3年目で取り直すことができます。

ただ、医学科では次の学年でも授業が詰まっているため、
1年目の単位を2年目で取り直すことができない大学が多い
です。
つまり、簡単に言えば、
一つでも単位を落とせば各学年で留年が決まる
ということです。

これが医学部で留年が多いゆえんですね。
科目も学年が上がるにつれて単位の専門性が上がっていくために難易度が上がっていきます

おぉ・・・、
文章で書くとめっちゃ大変そうですね。

 

僕が高校生の時は、

「医学部は入ってしまえば・・・」

というようなフレーズも聞いた事があったのですが、
それは嘘だったみたいです。

 

あ、言い方が違いますね。
嘘です。

世間では

「なんで留年がこんなに多いんだ!!」

と言われますが、考えてみて下さい。

 

○18歳で高校のきつい授業をやっと耐え抜いて、
 とても開放された環境に放たれた大学生。
○他の学部は楽しそうなキャンパスライフ。
○その中で一年からみっちりテストを受ける学生。
答えは出ますよね。

それに
扱う分野が「医学」という人の命を扱う職業でもあり、
いわゆる
「先生の恩情で上げてやろう」という考えが働きづらい
です。

実際、
「だめな医者が増えて、医者不足が解消しても元も子もない」
という意見もあります

(これは僕の親の意見です。親は医者じゃありません。
というか僕の家族で医療職は僕だけです)。

患者さんになる立場の方からすれば当然の意見だと思います。

各試験自体、合格ラインは60点なのですが、
専門性の高い分野でもあるので、
正直この60点を取るのが難しいです。

大学に入るまでは90点がラインだったので、

「60点なんて余裕余裕」


と思っていた医学生が次々に絶望していきます

○臨床実習

さて、他の学科と大きく変わるのは
 4年ないし5年の頃にある、
「臨床実習」
ポリクリ、とも呼ばれる、
まさに医者の卵として大学病院で実習が行われます

医者になってみると全然朝早くないですが、
8時半から17時(科によって差はあります)に医師の業務にくっついて勉強する実習です。

外科であれば手術に入り、
内科であれば患者さんを当てられ
その患者さんの病気・診療に関して勉強してプレゼンテーションを行います。

ようやく医者の仕事の一端に触れる機会がこれです。

もちろんここまでに自分の進みたい診療科を決めている学生も居ますが、
ここでだいたい全ての診療科を回ることにより、
自分の興味の持てる科、進みたい診療科を探すことが多いです。

実際、
各科の医者からも飲み会、
という形でアプローチがあります
(笑)。

ただ昔ほど「うちに入れよ!!」的なアピールは
そこまで多くはありません。

各科をだいたい2週間ずつローテーションし、
だいたい全ての診療科回り終わったところで一年がおわります。

そして、最近は興味のある科を追加でおかわりする、
ポリクリ2なんてのもあるようですね。

○卒業試験:卒試

その実習を乗り切ったら、
6年生の夏(早いところは5年の冬)に卒業試験、通称卒試があります。

ポリクリで回った全ての診療科の先生が卒業試験を作製して、
3日間、みっちりテストを行います。

大学によって難易度はさまざまですが、
どの大学にも鬼門とされる、問題が難しい診療科があり、
それを乗り切れば合格です。

で、それで終わり、という訳ではありません。

これで、
合格すれば「卒業はできます」

ただ、
「医者にはなれません」

○国家試験:国試

6年の2月、
医師国家試験、通称国試
があります。

僕の時は3日間でしたが、現在は2日間。
400問を2日で解く、大がかりな試験です。
合格率は数字にすれば90%
ほとんどの医学生が受かります。
ただ、10%は落ちます
実際受ける側としては、

「自分が10%・・・」

と不安を抱えながら受験します。

割とメンタルがやられます。
僕はもう受けたくないです。
また、禁忌問題、と呼ばれる、
絶対に間違えてはならない問題も隠されており、
それを複数回間違えると合計で合格基準を超えていたとしても不合格となることもあります。
『医学生 国試落ちれば ただの人』
という言葉もあります。
この言葉が受験の時は、本当にストレスでした。
なんども言いますが、もう受けたくないです。
こんな試験に次ぐ試験を乗り越えて、
ようやく初期研修医、という見習い医師の称号をもらいます。
そして、
実は卒業試験あたりと平行して受ける「マッチング試験」という、
初期研修病院との合コンみたいなシステムを経た上で決定した初期研修病院で2年間研修を行います。
そして、専門を決めて、
医師として羽ばたいていく、という訳です。

○夏休み

いかがでしたでしょうか。
なんか文章にするとめちゃくちゃしんどそうに見えますね
(苦笑)
ただまぁ、
「絶対にグレーな大学生活か」と言われれば、そうではありません(断言)。

大学にもよりますが、
夏休みが2ヶ月、冬休み2週間、春休みが1ヶ月半もあります。

あ、ただ再テストに回らなければです。

再テストが基本的に長期休みの後半にあるため、
本試験で落ちてしまうと、
長期休みが減ってしまう
んです。

僕が必死に試験対策をして、
再テストに一度も回ることがなかったゆえんも正直これです。

長期休みは存分にぐーたらしたい。。
その一身でテスト期間を乗り切ったといっても過言ではありません。
なので、しっかり長期休みもありますし、
社会人と違って、授業がおわればもちろん自由時間ですから、
自分の自由に使える時間があります。
だから
「バラ色の大学生活」
にすることももちろん可能です。
いや、僕は出来なかったですけども(笑)。
なので、
次は医学生の私生活編(恋愛事情もあるよ)をお送りしたいと思います。
明日、と言いたい所ですが、
ブログのメインからは外れるので、来週お送りいたします。

 


今回の記事を読んで医学生の生活に関して、細かい質問があればコメントまで。
可能な範囲で返事を書かせていただきますね。
★Take home message★
・医学生は試験が多い。
・『医学生 国試落ちれば ただの人』
以上になります。
では、明日はまた医学情報の話に戻りますよ。
更新が間に合えば・・・。
お楽しみに。
ではでは
2019/05/05 masa

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