こんばんわ。
今週も一週間が終わろうとしていますね。
みなさんは飲んだりはっちゃけたりしている所でしょうか。
masa
うらやましい・・・
さて、今日も昨日に引き続き
PD:panic disorder:パニック障害
について勉強していきましょう。
前回は大まかなイメージを中心にお伝えしましたが、
今日は僕たち医療者がどんな風に
「パニック発作」を疑い
「パニック障害」を突き止めていくか。
を中心に説明していきますね。
上のフレーズで
「パニック発作」と「パニック障害」の違いがはっきりしない、という方は
昨日のページをチェックしてみてください!
あ、さっきも登場しましたが。
masa
こんなのや。
Dr.F
こんなのが登場してきます。
少しでもわかりやすくなれば良いなぁ。。。
キャラ設定もあってないようなものですが。
もし興味があればプロフィールページまで。
さて。
少し脱線しましたが、準備は大丈夫ですか?
では、参ります。
診断
「パニック障害(以下PDと記載)」ですが。
ざっくりでも良いから1行で診断したい方はこちらになります。
発作に対する不安で日常生活が×になるとパニック障害
masa
では、今日はここまで。
と、してもいいのですが。
もう少し真面目なお話しを。
どのように医療者が「パニック障害」を診断していくのか。
解説していきます。
診断のプロセス
まず診断のプロセス、つまり手順ですが。
次の様な順番で診断に迫っていきます。
①そもそも「パニック発作」が起きているのかどうか判断する
②「パニック発作」を起こす、心以外の病気はないか判断する
③「パニック障害」の特徴があるか判断する
④「パニック障害」以外の心の病気があるか判断する。
この手順に乗っ取って診断を進めていき、
最後までたどり着けば晴れて
「PD」と診断。
そして治療へと進んでいきます。
ね?
Dr.F
あー。パニック発作ですね。心配要りませんよ
この一言を言うために、基本的にはこの手順が必要になります。
もちろん医療者の技術によっては多少項目が割愛されることもありますが。
右も左もわからない状態から取り組む場合は、
この通りに診断を進めていくことが大切です。
では、1つ1つ見ていきましょう。
そもそも「パニック発作」が起きているのか
前回も説明しましたが、
「パニック発作」とは何か?
3段階でそれぞれ「パニック」が起きている状態でしたね。
お忘れの方は前回ページをチェック!
では具体的にどんな症状で患者さんはやってくるのかというと。
次の様な症状で来た患者さんは「パニック発作」を一度は考える必要があると言われています。
・胸痛(胸がいたいです)
・動悸(なんかどきどきします)
・呼吸苦(いきが苦しいです)
・浮動感(なんかふわふわします)
・前失神感(目の前が真っ黒に・・・) などなど。
masa
なんか、こころの病気というよりは何か別の病気?
って考えちゃうような訴えですね。
このことが余計に
「パニック発作の患者は必ず内科を受診する」原因になっています。
つまり、やっぱり症状に応じた内科の病気を除外することが大切なんですね。
さて。
そんな多彩な症状で医療者の前に現れる「パニック発作」ですが。
その特徴がこちら。
<パニック発作の特徴>
「強い恐怖感・不安感が急激に(数分間)で生じ」
「過去に同様な発作を繰り返し」
「どの発作も10分〜数十分以内に自然に治る」
この条件を満たすことが「パニック発作」と呼ぶための第一歩です。
口うるさく「他の病気の除外が大事」と言い続けていますが、
「パニック発作」は原因は何でもいいんです。
つまり
内科の病気があったとしても、
「パニック発作」と判断することは間違いじゃない
ということです。
診断方法
では具体的に言葉で表すと、「パニック発作」の診断基準は次のものになります。
【次の項目の4つ以上が同時におき、10分以内にpeakに達する】
・動悸or脈拍数の増加
・発汗
・身ぶるいor震え
・息切れor息苦しさ
・窒息感
・胸痛or胸部の不快感
・嘔気or突然の消化器症状
・めまい感、ふらつき、気が遠くなる感じ
・冷感or熱感
・異常感覚(感覚麻痺orうずき感)
・現実感消失(現実でない感じ)or離人症状
・コントロール不能or気が狂うことに対する恐怖
・このまま死んでしまうのではという恐怖
項目、めっちゃ多いですよね。
実際この4つ以上が同時に患者さんに起こる他の病気はなかなかないです。
それもあって医療者は
患者さんが症状を説明するときに
masa
あれもある。
これもある。
そういえばこれもある。。。
というように複数の症状を同時に訴えると、心の中で
Dr.F
心の病気かもしれないな・・・
と考えるんです。
理にかなってはいるのですが、
稀に4つ以上の症状をしっかり内科の病気で説明出来てしまう事があるので
注意が必要ですね。
ただ。
これ、結構手間ですよね?
先ほどのパニック発作の特徴を踏まえて、
「スクリーニング」
つまり
「気づくための質問」
が2つあります。
<パニック障害のスクリーニング>
1.「急に呼吸が苦しくなったり、ドキドキして死ぬかもしれないとおもったことはありますか?」2.「そうなったらどうしようと考えて不安になることはありますか?」
この2つがYesとなり、
○発作の期間が1ヶ月以上
○予期不安or死ぬかもしれないという恐怖がある
の2つの条件を満たすと、
パニック障害の診断とすることもあります。
もちろんやっぱり内科の病気や心の病気を区別することも大事ですよ。
「パニック発作」を起こす、心以外の病気はないか
では散々言ってきましたが。
「パニック発作」を起こす内科の病気
どんなものがあるのでしょうか?
いよいよ見ていきますね。
ただ、その前に。
みなさんそろそろ「こころの病気」を考える時にチェックすべき内科の病気。
覚えてきたころではないでしょうか。
すこし考えて見て下さい
・・・
いくつか候補は挙がってきましたか?
では答えです。
パニック障害を考える時は次の様な病気をcheckする必要がある、と言われています。
・甲状腺機能亢進症
・低血糖
・心筋梗塞
・不整脈(上室性頻拍・Paf)
・肺塞栓
・褐色細胞腫
・覚醒剤中毒
・カフェイン中毒
たくさんですね。
そして意外や意外、カフェインの取り過ぎもエントリーしています。
さらに、怖い病気やたくさんの検査が必要になることがある病気も紛れています。
ただいずれの病気だとしても
「数ヶ月以上にわたってパニック発作を繰り返していること」
が聞き出せれば、上の様な内科の病気である可能性は低くなる、と言われています。
そのためその質問がYesなら、
その都度詳細な検査までは行う必要はない、と言われています。
逆に
masa
これが初めてなんです・・・
と本人、もしくは周りの人から情報を得られれば(本人は話せないことも多い)、
より一層内科の病気を検索する重要性が増してくることになります。
身体所見
そんな「パニック発作」の患者さんですが、
診察の時にどこに注目すればいいでしょうか。
まず、まさに「パニック」が起きている時。
この時は興奮しているため、運動をしている時と同じように
血圧も高くなり、脈拍数も早くなります。
肩でするような呼吸の回数も増えているのが特徴です。
ただ、いくら呼吸の回数が増えていても
「こころ」が息苦しい、と思っている形なので
「酸素飽和度:SpO2」と呼ばれる
体の中の酸素の量は下がっていないことが多いです。
逆にSpO2が下がっている場合は、「内科の病気を探す」ということになります。
また、稀にですが
masa
寝ている最中にパニック発作が生じたんですけど・・・
という患者さんがいます。
このような患者さんのバックには「睡眠時無呼吸症候群」が隠れていることがあります。
?
ご存じない?
あれです。
中年の男性が寝ているときにいびきをかき、たまに呼吸が止まり、
となりで寝ている妻・子供が心配する
となりで寝ている妻・子供が心配する
そんな病気です。
これもぱっと見、たいしたことない様な病気に見えるのですが、
結構重要な病気です。
また後日説明しますね
ではここからパニック障害の特徴をお話して、治療の話を。
と、思ったのですが。
やっぱり長くなったので次回に延期します。
★★Take home message★★ ・パニック発作の特徴を覚えよう! ・スクリーニングの2つの質問を覚えよう! ・カフェインの取り過ぎには注意して!
以上になります。
次回、少し飛びますが、来週の月曜日に続きを投稿しますね。
土曜日・日曜日は例によって「医療情報」からは少しずれる内容を話していきます。
明日(5/25)は初期研修先を選ぶための病院見学を控えた医学生に向けて
「病院見学について」
明後日(5/26)の日曜日はさらっとプロフィールに書いていますが
「資産運用について」
勉強した話をしていきます。
メインは「株日記」になるかと思います。
本やサイトから勉強したこと。
今後の目標。
具体的にどれだけを運用してどうなっているか。
初心者なので参考になるとは全く思っていませんが
自分の今後のために残していきます。
「株」に関してはど素人なので、玄人の方はご指摘頂ければ。
ではでは。
みなさん良い週末を。
2019/05/24
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