こんばんわ。
今日もブログを更新していきます。
テーマは不安第二弾で、
パニック障害:PD
について話をしていきます。
もしかしたら昨日の「GAD」よりもイメージが沸きやすいかもしれません。
ただこの「パニック障害(以降PD)」
奥が深い病気です。
「救急車で搬送されてくる」こともある病気です。
わかりやすく、解説していきますね。
はじめに
さきほども話した様に。
このPDですが、
もしかすると一番イメージがわきやすい精神疾患かもしれません。
と、いうのもテレビドラマでも良く場面として放送されることがあるからです。
想像しやすいのではないでしょうか。
若い女性の患者さんが、
息が早く肩で呼吸をしていて上手く呼吸ができず、
焦ることによってより呼吸が速く過換気になってしまう
息が早く肩で呼吸をしていて上手く呼吸ができず、
焦ることによってより呼吸が速く過換気になってしまう
そんなシーン。
そのシーンでも多くがそうであるように、一般内科でもよく遭遇する患者さんです。
また、症状の重症であれば先ほども言ったように「救急車」で搬送されてくることもあります。
それくらいPDは
「不安症」の中でも最も頻度の高い病気の一つ
になります。
なんて言葉もあるくらいです。
致命的な病気も隠れてる
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
でも、心の病気なら救急の先生も落ち着けるだけだから簡単だよね〜
そんな風に思った方もいるのではないでしょうか。
はっきりいいますが、
全くそんなことはありません。
と、いうのも、
「PDを疑う症状=よくある内科の病気の症状、なおかつ救急でありふれたもの」
それはつまり
「PDを疑いつつも、怖い病気を除外することが必要」
ということになります。
本当にこれはとても大変で、
詳細な病歴聴取・診察はもちろん検査も必要になってきます。
実際に最初の救急隊からの送りの時点では
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/doctor.png)
あ〜、はいはい、パニックの方ね
って思っていたところ、
検査の結果命に関わる病気(肺塞栓)が見つかり、ひやひやした経験もあります。
ありふれた病気でなおかつ心の病気ですが、
重症な病気が隠れていることがある!
重症な病気が隠れていることがある!
それだけで、患者さんにとってはもちろんですが、
医療者にとってもかなり厄介な病気であることが伝わったでしょうか?
パニック発作=パニック障害、ではない。
この言葉の意味は、先ほど説明していることです。
つまり、
目の前で、まさに「パニック」を起こしている患者さんがいたとしても
それだけで「パニック障害」と診断するのではなく、
内科の病気、そして他の心の病気を除外して初めて
内科の病気、そして他の心の病気を除外して初めて
「パニック障害」の治療、すなわち予防を行うことが出来るんです。
これだけ重ねて説明したので、
「PD=大変な病気」
というイメージは付いたでしょうか?
概論
さきほど大まかなイメージはお伝えしたので、少し具体的に話をしていきます。
そもそもPDはどれくらいの人に起こるのでしょうか?
少し考えてみて下さい。
<クイズ>
PDはどれくらいの人に起こるのか?
どれだと思いますか?
・
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・
正解は大体100人に1人。
生涯有病率がPDは0.8%、と言われています。
また、日本ではなく欧米で言えば、
全成人の30%以上が生涯に1回以上は「パニック発作」を経験
と言われています。
「パニック発作」なのでPDとは厳密には違いますが、それでもやっぱり多いですね。
では次に。
男性と女性、どちらがPDは多いでしょうか?
これは少し簡単でしたでしょうか?
と、いうのもさっき例であげた様に、
PD患者さんの役でTVで放送される人は決まって女性であることが多いです。
実際男女比としては女性が男性よりも2倍多い、と言われています。
そして、年齢に関しては若い人が多いか、というとそうでもなく、
10歳〜60歳まで割と幅が広いです。
ただ多いのは20歳からの発症が多いみたいです。
なぜパニックが起こるのか?
そもそもなぜ「パニック」になるのでしょうか。
じつは「パニック」って3段階で起こっているんです。
1つ目が「心理的」
2つ目が「身体的」
3つ目が「認知的」
それぞれの段階でパニックが起きてくるんです。
どれが最初、と決まっているわけではなく、
それぞれ相互作用(ここでいえば悪影響)をし合っています。
まず第一段階の「心理的」なパニックですが、それこそまさにパニックです。
このまま死んでしまうのではないかという死の恐怖や、
パニックが収まらず発狂してしまうのではないか、
という恐怖を抱えます。
次の「身体的」なパニックでは、
呼吸が早くなり、過換気となり、上手く息が吸えなくなります。
さらに実際に震えや息が上手く吸えないことにより息苦しさ・窒息感を自覚してきます。
そして「認知的」なパニックですが、
「心理的」そして「身体的」なパニックにより
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/obasan.png)
自分が大変な病気に違いない
と認識してしまうことにより更なるパニックが生じてしまいます。
この「認知的」パニックが、
救急外来や時間外診療でPDの患者さんに遭遇する理由であることが多いです。
ただ、このパニック、
PDでは症状自体は1時間を超えて継続することはない
と言われています。
逆に、
パニックが1時間以上続いている場合はPDではなく
他の内科の病気を積極的に探す必要が出てきます。
他の内科の病気を積極的に探す必要が出てきます。
ただ「心理的」なパニックは持続しており、
それが後で出てくるPDの診断に関わってくることになります。
この様にパニックでは
「心理的・身体的・認知的」にパニックが生じ、
それぞれが悪影響を与え合うことにより
パニック発作が増してくることがあります。
今日は少し短いですが、ここまでにしておきます。
と、いうのも明日が長いからです。
もしかするとまた3部構成になっているかもしれません。
そうなったらごめんなさい。
また3日間おつきあい下さいませ。。。
本日のTake home messageはこちら!
★★Take home message★★ ・全てのPD患者は内科を訪れる ・PD患者はやっぱり多い ・「心理的」「身体的」「認知的」の3段階でパニックが起こる
以上になります。
ではまた明日。
2019/05/23 masa
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