おはようございます。
今日も噛まれたシリーズです。
少し珍しいかもしれません。
山・森などに出かけ、家に帰ってきた後。
ん?
体になにかくっついてるぞ?
と、気づかれる小さい黒点。
「ダニ咬傷」
が今日のテーマです。
これも都会住まいの人には需要はなかなかないかもしれませんが、
放っておくと大変なことになる場合も。
GW明けましたが、頑張っていきましょう。
○概論
そもそも、どんな所をダニに噛まれる事が多いでしょうか?
少し考えてみて下さい。
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考えました?
もちろんダニ、と一口に言ってもいろいろあります。
一般に噛まれているのは頭皮が多いです。
ただ本当に色々で、
全身をしっかり見てみないと噛まれている所は分かりません。
入浴中に全身を洗っている時に発見されることが多いです。
そして、その時点ではダニが血を吸った状態なので、
ダニが膨らんでいる状態で発見されます。
実際想像してもらえればわかると思いますが、
「気持ち悪い」
「触るのが怖い」
と言ったため、体にくっついているダニを自分で剥がす人は少ないので、
くっつけたままで病院に来られます。
実際この対応は正しくて、
ダニの頭の部分、口と呼ばれる所ですが、
変に引っ張ってしまうと体がちぎれて残ってしまうことがあります。
そうなると皮膚を切開して取り除く必要が出てきますので、
気持ち悪いかもしれませんが、そのまま病院を受診してください。
○創部
傷口についてはどのようになるのでしょうか。
ダニが作った傷跡は特徴があり、
噛まれた部位はかさぶたの様になり、
その周りが赤くなります。
医療者が「刺し口」と呼ぶ傷です。
○治療
基本的には治療としては、
くっついているダニを除去したら終了です。
・・・ん?
じゃあわざわざブログで話をする程のものでもないか、って?
いえいえ。
今日はむしろここからが本番なんです。
いや、Take Home messageで一番言いたいことは
「ダニがくっついてたら自分では剥がさない」
ですけどね。
○合併症
ダニは、噛まれたのを取り除いたら終わり。
ではなく。
患者さんに伝えることがあります。
それは
「1〜2週間で、全身倦怠感・発熱など症状がでてきたら、
もう一度病院に来るように」
と、言うのが、
ダニ由来の感染症がうつってしまっている可能性があるためです。
具体的に病気の名前は二つ。
1.日本紅斑熱
2.SFTS
どちらも死にいたる恐れのある感染症です。
もちろんダニに噛まれる=この疾患が発症する、
という訳ではありませんが、注意する必要はあります。
前者であれば抗生剤の内服、
また、後者も共に全身状態の調整が必要になるため入院での治療が必要になります。
これらについては、
明日以降、ひとつひとつ解説していこうと思います。
明日は日本紅斑熱、
明後日はSFTSについて、簡単にお話ししていきますね(予定)
本日は短めですが以上になります。
Take Home messageとしてはこちら
★★Take Home message★★
・「ダニがくっついてたら自分では剥がさない」
・ダニに噛まれた後に発熱や倦怠感が出たら病院へ
では、また明日。
お会いしましょう!
2019/05/07 masa
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