おはようございます。
振り返ってみれば、毎日更新をなんとか頑張って続けています。
習慣が付くまで、3週間くらいはかかると言われているみたいなので、
ひとまずそこを目標に頑張っていきたいですね。
さて、本日は昨日に引き続き、「ダニ咬傷」
噛まれた後に起こる病気の代表例の1つめ、
「日本紅斑熱」
について話をしていきますね。
名前に「日本」が入っていますが、
聞いた事がある日本人の皆さんは本当にわずかではないでしょうか。
さて、
はたまた需要がどこにあるのか不思議な分野ですが、お話ししていきますね。
○概論
さてさて、この「日本紅斑熱」
一体どんな病気なんでしょうか。
まぁ、読んで字のごとく。
「日本」で起きる、
「熱」が出て、
「紅斑(赤い模様)」が体中に出る病気です。
以上です。
ただこれだけでおわるとつまらないので、
少し詳しく見ていきましょう。
始めは1984年に日本で報告された病気。
原因となる病原体はRickttia japonicaと呼ばれる、
ウイルスでも細菌でもないリケッチアと呼ばれる病原体です。
マラリアという病気が蚊でうつるのは知っているでしょうか?
それと同じように、こちらはダニによって移される病気になります。
発生時期は4月〜11月。
広いですが、寒くはない時期、とだけ覚えておきましょう。
○症状
症状についてはさっき全部言ったようなもんです。
嘘です。
少し追加します。
ダニに噛まれて直ぐ次の日発症、というわけではありません。
大体2〜10日の潜伏期、
つまり症状がでない時間を経て、
頭痛・発熱・倦怠感と言った症状で始まります。
言葉にすると伝わりにくいですね。
簡単に言うと

「ちょっと風邪でも引いたかな」
でスタートします。
そして、
「ダニに噛まれて」とありますが。
実際小さいダニは噛まれた直後は気づきません。
ダニが吸血を続け、
ある程度大きくなってきた所で黒い点として発見されます。
つまり、発見されるとしても2,3日後です。
ダニが自然と取れてしまっている場合は刺し口と呼ばれるかさぶたを探すんでしたね?
これは昨日の復習です。
さて。
つまり、この「ダニに噛まれて」が無い場合は

「ちょっと風邪でも引いたかな」
という症状しかでてこないことになります。
ただ、日本紅斑熱で特徴的なのは「日本」と「熱」の他にもう一つ。
「紅斑」
つまり赤いぶつぶつが出てきます。
これがほぼ100%出現します。
手足から体幹部分など、全身に出現してきます。
3,4日経つと点状出血の様になることが多いとされています。
ここまでが一般的な経過ですが、
重症になると肝障害や意識障害を引き起こし、死の危険を引き起こすこともある病気です。

「ちょっと風邪でも引いたかな」
と思っていたら

「死ぬかもしれません・・・」
となるわけです。
やはり「ダニ」や「刺し口」が有力情報になってきます。
少し前に森や山に行ったことがある人は、
医療者にそのことを伝えて下さい。
その一言が医療者の大きな助けになります。本当に。
○診断
さて、そんな死の危険性もあるかもしれない病気ですが。
診断するには一体どうすれば良いのでしょうか。
もちろん
「ダニに噛まれて」、
「全身に紅斑が出てきて」となり、
「日本で起きていれば」
考える疾患の第一号になってくるので、症状的には診断は簡単です。
ただこの「ダニに噛まれて」がない場合は、どうしましょう。
やはり病原体が体に入っていることの証明が必要になります。
基本的に何らかの病原体が人の体に侵入すると、
体はそれに抵抗するために「抗体」と呼ばれる防御能力を発揮します。
この「抗体」を採血でチェックすることによって、
診断をつけてやることになります。
ただ、結果が判明するまで少し時間がかかることがあるので、
重症だったりして結果を待ってる場合じゃない時は直ぐに治療を始めます。
○治療
治療ですが、病原体が体に入ると普通はどんな治療をするでしょうか?
インフルエンザの様なウイルスか、肺炎を起こすようなばい菌など。
そういった時は抗ウイルス薬や、抗生剤を使う事がありますね。
ただ、この日本紅斑熱を起こす病原体はひと味違います。
抗生剤の中でも効果があるものと効果がないものがあるんです。
なので、「日本紅斑熱」を疑った場合には、
普段なかなか出さないような抗生剤を医療者が出す形になります。
もちろん重症度にもよりますが、医療者の指示通りに薬を飲んでください。
病気自体が珍しい病気なのではっきり分かっているわけではありませんが、
おおよそ1週間ほど、飲み薬で治療を行う形になります。
いかがでしたでしょうか?
たまにこういう

「誰がそんなの聞きたいんだよ!!」
っていう内容もブログにしていきますね。
すみません。
僕の勉強のため、という要素もあります。。。
さて、今日のTake Home messageはこちら
★★Take home message★★ ・森や山へ行った後の「風邪」は注意!
今日は一つにしぼり込みました。
これだけは覚えて帰って下さいね。
ではでは、
明日はもっとマニアック、だけど重症になる病気。
SFTSについてお話ししていきます。
では、また明日。
2019/05/08 masa
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