犬・ネコに噛まれた・・・え? 人も?

スポンサーリンク
医者看護師夫婦が教えるcommon-disease
この記事は約5分で読めます。
おはようございます。
ゴールデンウィーク最終日ですね。
残念ながら、もう10日間がおわってしまう・・・
率直にびっくり。。。
               ・
               ・
               ・
さて、気を取り直して。
今日はそんなゴールデンウィークで外出中に起こりそうなこと。
「動物に噛まれた」
飼い犬やネコ、はたまたシカ、猿、そして人
色んなシチュエーションがあると思いますが、
僕たち医療者はどんなことを考えているのか。
特に患者さんに聞きたいことを踏まえて記事にしていこうと思います。
ではいきましょう。

○何が怖いか

 さて。
 まず動物に噛まれたとき。
 一番怖いことは何でしょうか。
 もちろんその傷そのものもとても痛く、怖い物であることもありますよね。
 ただ、傷の処置を平行して僕たちが注意することは。
「感染症」
 人ですら、口腔内にはばい菌がたくさんいます。
 犬やネコではもっといっぱい・・・
 そんなイメージはないですか?
 特に傷口は皮膚表面のバリアが壊れてしまっているので、
 ばい菌が入ってきやすいんです。
 とにかくばい菌による感染症が怖いので、
 予防をしていくことが大切になります。

○医療者に伝えて欲しい情報

 さて、ではどんな情報を病院の医療者は求めているのでしょうか。
 それは以下の様な項目です。
★動物
・日時
・内服歴/アレルギー
★予防接種歴
 特に大事な項目を「★」にして記載しています。
 一つずつ見ていきましょう。

★動物

 先ほどさらっと話ましたが、
 噛まれた相手の動物により感染症のリスクが変わります
 口腔内に飼っているばい菌が違うからなんです。
 とはいえ細かく覚える必要はありません。
 下の様に怖い相手を順番に覚えてみましょう。

 ネコ>人>犬

 意外とかわいいネコが怖いんです。
 と、いうのもネコの口腔内に住んでいるPasturellaというばい菌が問題です。
 犬の口の中おりもネコの中に多く存在すると言われ、
 高齢者や糖尿病患者など免疫が弱まっている方で発症しやすいと言われます。
 また、犬の牙よりネコの牙の方が先がとがっていることもあり、
 傷口が深くなりやすいのも問題です。
 さて。
 さらっと、
 「人」とかいてありますが、噛まれるイメージは出来るでしょうか。
 まさかゾンビ映画の様に噛まれる、なんて場面はありませんよ。
 よくあるのが、
 握り拳が口にあたる、
 つまりケンカの時に受傷することがあります。
 この時指の関節が受傷部位に近くなるため感染が起こると重症になりやすいんです。
 ただ、問題になのは医療者がこのことに気がつかないことです。
 いや、というよりは、
 「患者さんがケンカのことを隠すこと」
 が問題になります。
 確かに、
 ケンカをして人の歯が当たって怪我をした、とは言いづらいですよね。
 そのため、

「ちょっと転んでしまって・・・」

と言われることもあります。

 ただ、ここで事実を伝えないと、僕らも言葉通りに受け取って
 数日後、傷からばい菌が入り、
 場合によっては指の切断にまで発展してしまうこともあります。
 正直に、いつ、どのようにして受傷したかはしっかり伝えて下さい。

・日時

 さて、先ほど「いつ」と言いましたが、
 受傷してからどれくらいの時間が経ったかは、
 創部の処置に強く関わってきます。
 と、いうのが感染のゴールデンタイムが8時間と呼ばれ、
 それ以上経過してから病院を受診されると
 一度では傷口を閉じる事が出来ない事があります。
 GWなどの長期休暇では病院に受診するまで時間が経ってしまうことも多いです。
 ただ、可能な限り程度を抑えるため、
 はやく病院を受診してくださいね。

・内服歴/アレルギー

 この項目については今までもいろいろお伝えしてきたのでもう分かるでしょうか。
 内服歴については、
 飲んでいる薬によって出血のしやすさが変わったりします。
 お薬手帳をしっかり医療者に渡して下さいね。
 また、アレルギーも大事。
 基本的に傷口の洗浄で痛みが伴うので
 麻酔をした上で洗浄します。
 その時に麻酔の薬を使うので、アレルギーがあれば教えて下さい。
 また、治療後に抗生物質を飲む場合は抗生剤選択に必要になる情報です。
 しっかり教えて下さいね。

★予防接種歴

 予防接種で注意することはこの2つがあります
 ・狂犬病
 ・破傷風
 ただ、実際に日本で注意する必要があるのは「破傷風」の方です。
 と、いうのも「狂犬病」については、
 海外の動物に噛まれた時に発症するのが一般的です。
 海外で噛まれた人が、
 日本に帰国して発症、という報告はありますが、基本的に心配する必要はありません。
 とはいえ、「何に噛まれたか」についてはしっかり確認することは大事です
 さて、破傷風。
 一番聞いた事があるのは「予防接種」ではないでしょうか。
 日本人であれば乳児期に混合ワクチンとして接種されています。
 詳しいことは後日またお話ししようと思いますが、
 その予防接種をきちんと受けていたかどうか
 また受けてからどれくらいの時が経っているかによって
 処置内容が変わります。
 具体的にはワクチンをもう一度接種するのかしないのか、
 またテタノブリンというもう一つの薬を使うかどうかです。
 その時には傷が汚れているかどうか、も重要になるので、
 医療者に重ねて伝えましょう。
 例えば、
 購入したばかりのナイフと、
 長年使ってて錆ついているナイフでは話が違ってきますので。

いかがでしたか?
ペットを飼っている人は想像しやすいかもしれませんが、
そうでない人ももしもの時を想定してみて下さい。
もちろん噛まれて直ぐ、しっかり洗浄することが大事ですよ。
今日のTake home messageはこちら
★★Take Home message★★

・ネコは犬よりも怖い
・人とのケンカも隠さず伝える
・自分の予防接種を振り返ろう
では。
GW最終日、
明日から通常勤務の人も、
そもそも通常勤務の人も。
一緒に頑張っていきましょう!
2019/5/6 masa

コメント

タイトルとURLをコピーしました