今その話!? 季節外れの「インフルエンザ」の話 前編

スポンサーリンク
医者看護師夫婦が教えるcommon-disease
この記事は約8分で読めます。
こんばんわ。
今日はなんとか7時に更新できました。
テーマは「うつ病」から変更して、この病気。
「インフルエンザ」
についてです。

え? 今その話題!?

ってなった方。
意外と知らないんですね。
実はまだまだインフルエンザって、流行してるんです。
あ、知ってる知ってる。
B型って奴でしょ?
おぉ、詳しいですね。
もちろんそうなのですが、
筆者の居る病院では、なんとA型の患者さんもぱらぱら現れてしまいました。
場所によっては学級閉鎖、なんてのもあるみたいですね。
本当に、毎年毎年、やっかいな病気です。
さて。
みなさんは、その厄介な「インフルエンザ」について、
きちんと知っているでしょうか?
この題材は、本当は冬にしようかと考えてましたが。
流行期にはまた詳しい話をするとして。
「インフルエンザ」のお話をしていきましょう。

○概論

・流行期

 まず始めに。
 インフルエンザの流行期はいつかわかりますか?
 最初に「今はやってます」と言った手前変な感じがしますが、
 一般的には12月からちょろちょろ患者が出てきだして、
 1月に数が爆発します。
 そして1月〜2月にピークを迎え、徐々に数が減少。
 3月ごろになると少しずつ下火になってきます。
 なので、
 「正月〜年末年始が救急外来の患者さんの数が爆発する」
 原因が、インフルエンザになります。
 これが厄介で、
 10人のうち9人が連続でインフルエンザと診断されても、
 1人が肺炎など、別の病気で来たりします。
 1時間で10人見なきゃ行けない状況では
 ミスがでてもおかしくないですが
 それを見抜くのがとても大変です。
 まぁ、これは脱線するので別の機会に話をしましょう。

・タイプ

 次にインフルエンザのタイプについてです。
 タイプはここでは2つ、としておきましょう。
 厳密に言えば詳細にタイプ分類がありますが、
 実際に僕らに影響があるのはA型とB型のふたつ
 これ以上の詳細な話は必要ないと思いますし。
 さて。
 まず始めはA型が流行します。
 時期としては12月〜2月辺り、流行期の前半戦です。
 実はA型とB型では症状も違います
 A型は喉の痛みや節々のだるさ(関節・筋肉の痛み)が前面にでることが多いです。
 もちろんここで言うのは一般的に、
 ですのであんまり目立たない方もいます。
 特に予防接種をきちんと受けていただいた方や、
 高齢の方では症状が前面にでない事があります。
 ただ今お話ししたように、
 熱、のどいた、節々の痛みなど、
 「The インフルエンザ」
 の症状を呈するのはA型になります。
 では、B型はどうでしょう。
 わかる方、いるでしょうか?
 B型の症状はすこしマイルドに見えることが多いです。

えっ!? インフルエンザなんですか?

 と言われる患者さんが多い印象がありますね。
 B型は、以前お話しした「腸炎」の時の症状に似ています。
 をチェック!(笑)
 と、いうのも
 B型では嘔気・腹痛・下痢を訴えられる方が多いです。
 そして何より、
 先ほど「The インフルエンザ」としてお話しした
 熱、のどいた、節々の痛み
 の症状。
 もちろんないことはないですが、これが目立ちません
 患者さんが困っている症状の中で、
 一番つらいものを「主訴」といいます。
 医療者が病気の原因が何かを考える上で、
 一番の指標にするものですが、
 B型の場合は
 その「主訴」が「嘔気・腹痛・下痢」などになることが多いです。
 そのため

腸炎かなぁ・・・

 と思ってきた人が

インフルエンザです

 となるわけです。
 それは驚かれますよね。

○検査・診断

 さて、検査ですが、これは知ってる人も多いですよね。
 良く言われるのが次の質問です。

検査って・・・痛い奴ですよね?

 はい、そうです。
 残念ながら、痛い奴です。
 【鼻咽頭】、という鼻の奥のウイルスを調べてくる検査です。
 細い綿棒をその奥までつっこんで、
 ぐりぐりして検体を取ってきます。
 結果事態は検査をして10分程度ででます。
 迅速のキットによる結果です。
 ただ病院によっては検査室の動きだったり、
 検体の数が多かったりするので、
 大体30分〜1時間はかかると見てください。
 あとは患者さんの込み様ですかね。
 なので時間がかかっても多めにみてください。。。
 では、この検査について。
 散々TVで報道された上なので、ご存じの方多いと思いますが。
 この検査、厄介な点が1つあります。
 と、いうのも、
 「鼻の奥のウイルス」を調べてくる検査。
 なので、鼻の奥でウイルスが増えていないと
 意味が無い検査です。
 つまり、どういうことかというと、
 「体の中である程度ウイルスが増えないと検査が陽性にならない」
 と、いうことです。
 少なくとも症状が出現してから12時間程度
 は経過した方が良いのでは、と言われています。
 いや、発症してすぐにチェックしても陽性に出ることもあるのですが。
 問題は結果が陰性だったとき
 と、いうのが。
 「本当に陰性」
 つまり
 「インフルエンザではない」
 のか
 「本当は陽性だけどまだウイルスが増えてないから陰性」
 つまり
 「本当はインフルエンザ」
 この二つの区別が出来ないのが問題と言われています。
 よく

早い時期に検査しても意味がない

 と言われる理由がこれです。
 とはいえ、正直これには反対です。
 患者さんの病院受診が遅れる理由にもなりますし、
 患者さんが検査してもらうのが当然で受診される理由にもなってしまいます。
 後者の方は会社や学校が

検査をしてもらってこい!

 と強調するのも大きな理由です。
 個人的な理由を言えば、
 インフルエンザでなくてもそうであっても
 休むべきなのは変わらないので
 勲章のように検査結果や診断書を求める必要はない
 とおもうのです。
 あ、すみません。
 脱線しました。
 さてさて。
 そんな検査重視の現状ですが。
 はっきりいえば、
 インフルエンザは検査しなくても診断できます。
 インフルエンザの患者さんののど、
 皆さんは見たことがないでしょうか。
 じつは咽頭の後壁、奥の壁ですね。
 そこにいくら、食べ物のいくらのようにぷっくら膨れている隆起を見つけると、98%インフルエンザ、なんて報告もあります。
 なるほど、のどを見れば診断できるのか。
 見抜くの難しそう。。。
 そう思われる方も多いかもしれませんね。
 じつは
 流行期に
 ・熱
 ・咳、痰などの呼吸器症状
 ・筋症状
 ・倦怠感
 のどれかがあればほぼインフルエンザ
 なんて話もあります。
 流行期に感冒(これも以前お話ししましたね)症状で病院に来れば60%はインフルエンザ、なんて話も。
 特に家族や同僚などインフルエンザの方がいれば
 さらに確率は上がってきます。
 つまり
 検査する前から
 【ほとんどインフルエンザしか考えられない様な病歴の患者さん】
 に、
 【陰性になったとしても完全には否定出来ないインフルエンザの検査】
 をそれをする必要があるのか。
 これにつきます。
 もちろん、患者さんの数にもよって1人1人に長い時間をかけられない状況があります。
 そんな時は検査をせざるを得ないこともあります
 なので一概には言えませんが、
検査しないとインフルエンザかわかりません
検査する前ではインフルエンザの薬は出せません
 と、いう医者もどうかと思ってしまいます。
 それなら
 検査の自動販売機と、薬の自動販売機を作ってしまった方が、
 患者さんもいたずらにインフルエンザをまき散らさなくて済みますし、医療者の負担も減るので一石二鳥ですよね。
 いや、これも愚痴ですね。
 あくまで個人の意見です。
 そして、そんな医療者にならないように、
 これからも頑張ります。
 ここで言いたかったことは
 【検査は絶対ではない】
 ってことです。

少し長くなったので、2つにわけます。
正直、明日の内容がなにより大事なことだと思うのですが。
症状の事、そしてなにより【検査は絶対ではない】。
そのことだけ覚えて帰って下さい。
繰り返してごめんなさい。
今日のTake Home messageはこちら
★★Take Home message★★
・B型は腸炎と間違うことも。
・【検査は絶対ではない】
以上になります。
今日はここまで。
では、また明日。
続きをお話ししていきますね。
ではでは
2019/05/16 masa

コメント

タイトルとURLをコピーしました