こんばんわ。
今日もブログを更新していきます。
今日のテーマも、
昨日に引き続き「うつ病」です。
昨日に引き続き「うつ病」です。
全てを話せたわけではないですが一通り内容はお話し出来たので、
今日の更新で一旦終わりにいたします。
・・・ちゃんと今日で一旦の終わりに出来る様に頑張りますね。
今日お話しするのは基本的に「治療」に関すること。
そして大事なうつ病患者さんの「希死念慮」についてお話ししていきます。
少しデリケートな分野ですが、頑張っていきたいと思います。
では、行きましょう。
○希死念慮
希死念慮、この単語で意味がわかるでしょうか。
「死んでしまいたい」と死を選ぶことを思う事、考慮することの事を言います。
もちろん良くないことですが、みなさんはイメージしやすいのではないでしょうか。
うつ病の患者さんが、死を選んでしまう場面を。
過重労働に伴う職員の自殺などでも話題になるように、
日本では自殺する方はとても多いです。
それこそ社会問題になってるくらいですね。
日本では自殺する方はとても多いです。
それこそ社会問題になってるくらいですね。
実際その様な方は多かれ少なかれ
「うつ病」もしくは仕事などのストレスで「うつ状態」
となっていることが予想されます。
どの様な病状であれ、環境であれ、
人が亡くなることは大きな損失です。
そして、周りの人、家族を苦しめる結果となってしまいます。
なにより本人にとって人生が辛いもののまま終わりを迎えてしまいます。
それを防ぐためにも、
自殺のリスクが高い人
つまり
「希死念慮がある人」
を見抜くのが医療者は大事になってきます。
では、実際にどれくらいのうつ病患者さんが「希死念慮」を持っているのでしょうか。
実は
「希死念慮を持っているうつ病患者さんは極度に多いです」。
こんなことを聞くと、
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
えっ、じゃあやっぱりうつ病の人ってみんな自殺しちゃうじゃん!?
って思う人もいるかもしれませんが、
そうではないんです。
と、いうのが。
医療者が「希死念慮」を確認するときは次の様に聞くことが多いです。
まず患者さんのつらいエピソード・抑うつのエピソードを充分に確認した上で、
次の様に質問します。
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/doctor.png)
今の様な状態が続いていると、死んでしまった方が楽になると思うようなことはありませんか?
ここで、
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
いや、そこまでは考えた事はないです。
と返事が来れば、
「希死念慮」はないことになります。
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
はい・・・
の返事が来れば、
次のステップに進みます。
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/doctor.png)
実際に死のうとして、何か計画を立てたりしたことはありますか?
実際に行ったことは何かありますか?
今も何か準備したりしていますか?
上の様な質問をして、具体的な質問が帰ってくる場合。
とても危険な状態です。
もちろん計画の内容によって差はありますが、
実行段階一歩手前に入っています。
「うつ病」は一般内科や町のお医者さんでも見ている先生は多いですが、
仮に具体的な計画を考えている「うつ病患者」さんに出会った場合は、
基本的に精神科や心療内科の専門医への紹介を行います。
場合によっては精神科のある病院に緊急入院も考慮することがあるくらいです。
ただ、一般の内科でも伝えられる事があります。
それは、今の苦しみは
「病気の症状である」
と伝えること。
「治療すれば良くなること」
その上で、
「自殺するとあなただけでなく、周りの人にもダメージを与えること」
「自殺しそうになったら、誰かに必ず知らせてもらうこと」
そして「自殺だけはしない」と約束し、指切りまですること。
これと同様の説明を家族にもした上で、専門医への紹介を急ぐことになります。
「うつ病」となる患者さんは比較的真面目な方が多いです。
なので、
「約束事」をすると、守ってくれる患者さんが多いです。
また、
「自分だけでなく、周りの人も巻き込み、自分だけの命ではないことを再認識させること」
そのことが、自殺の抑制につながると言われています。
もし近くの方・家族の方が同じような症状だったとき。
もちろん抱え込まずにすぐ病院に相談してください。
そしてそれと平行して、
「自殺はしないと約束をすること」
「病気の症状で、治療すれば良くなること」
を伝えて上げて下さい。
なにより、目を離さずに、医療施設にお連れしてください。
・自殺の質問は逆効果ではないのか?
さて、こう思われた方はおられないでしょうか。
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/ojisan.png)
そもそも【自殺】の単語って言葉にしていいの?
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/obasan.png)
そんな質問する方が追い込んじゃわないかな?
そんなことはありません。
実際に医療者が
「自殺の質問をすることで自殺遂行を後押しすることはない」
と言われています。
むしろ聞かずにおいて、目の前の方の自殺のリスクを把握出来ていない時の方が危険です。
ただもちろん家族でも、友達などではなおさら聞きづらいことですので、
病院に連れてきて上げて下さいね。
○治療
さて、「希死念慮」のキーワードだけで結構な文字数になりましたね。
もうこれでまた明日、でも良いくらい・・・。
ただ今日でいったん「うつ病」のテーマとお別れするためにももう少し。
【治療】
の項目をお話ししていきます。
ただ、心の病気で共通することですが、
やはり患者さんそれぞれによって効果を示す薬がかなり違います。
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/doctor.png)
うつ病だったらこの薬を飲んでおけばいい!
なんて薬はありません。
もちろん、最初に使うことを推奨されている薬はあります。
ただ、全ての患者さんにそれが効くわけではなく、
患者さんによって増量・減量、他の薬への変更など1人1人試行錯誤していかなければなりません。
本当に大変な病気ですよね。
そして、仮にぴったりと合う薬が見つかったとしても、
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
治った! やーめたっ!
にはならないことが多いです。
と、いうのも、
効果を認めても同じ量の薬を少なくとも半年〜1年間は飲み続ける必要があります。
その上で落ち着いていれば少しずつ減量を行いますが、
減量中に再度悪化した場合は元の量を飲み続ける必要がでてきてしまいます。
やっぱり大変な病気なんですね。
また、やはり薬なので副作用はあるのですが・・・
![](https://nextmed-at-home.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/doctor.png)
患者さんはうつ病の薬の副作用を調べないで下さい
もちろん一般の方が薬の悪い面についてもしっかり知っておくのは大事なことだと思います。
ただ今までお話ししてきたように、
うつになっている患者さんは、悪い面ばかり考えてしまうことが多いです。
そのため、調べた薬の副作用にばかり意識がいってしまうことが多い。
また、疑ってしまったら最後、薬の内服の継続が困難になることもあります。
目の前の医師を信じて、
長期戦になることも多いですが、病気と付き合っていきましょう。
医師と二人三脚で戦っていくことが、心の病気では特に重要になってきます。
○最後に
治療で一番大事、と言って良いのが
「休む」こと。
もちろん仕事が気分転換になっていれば話は別ですが、
ストレスの原因となっていることが多いです。
すくなくとも1ヶ月は休んでもらう必要があると思います。
体も心もしっかり休めた上で、少しずつ今後について考えていくことが大事になります。
ハードワークはほどほどに。
いかがでしたでしょうか。
3日間続いた「うつ病」シリーズ。
全部話切れてはもちろんないのですが、今後追加のお話しをしていく予定です。
ご了承ください。
今日のTake home messageはこちら
★★Take home message★★ ・「希死念慮」の確認が大事! ・治療は医療者との二人三脚で! ・第一の治療は休むこと!
以上になります。
質問があればコメントまで。
明日も更新、できればいいなぁ。
ではでは。
2019/05/15 masa
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