こんばんわ。
今日もお仕事お疲れ様です。
疲れてるところにこのページを開いてくれてありがとうございます。
さて、今日も昨日の続き、
「うつ病」
についてお話ししていきましょう。
「うつ病」
についてお話ししていきましょう。
昨日のページを読んでいない人は気が向けば、目を通してくださいね。
今日は大まかに言えば「うつ病の診断」に関わるところをお話ししていきます。
ただ、「診断基準」なんて難しめなところはさらっとしておいて、
「内科の病気ではどんなものが似たような症状がでるのか?」
や
「え? それもうつ病なの?」
と言った、
一般の方が知っていると役に立つこと
一般の方が知っていると役に立つこと
をお話ししていきたいと思います。
では、行きましょう。
あ、ちなみに。
「うつ病の治療」について知りたい方は、
明日取り上げる予定ですのでお待ちくださいね。
明日取り上げる予定ですのでお待ちくださいね。
○うつ病の検査
さてうつ病の検査ですが、どんなものが必要か、
思いつく人は居るでしょうか。
思いつく人は居るでしょうか。
そもそもうつ病はいってしまえば「心」という臓器の病。
つまり「心の検査」が必要になってきます。
みなさんの中で
「この検査を受ければ心の中を完全にチェックできますよ!」
なんて検査きいたことありますか?
まぁ、ないですよね。
そうなんです。
うつ病で必要になる検査は、
血液やCT・MRIと言った検査ではありません。
一般的に「心理検査」と呼ばれる様な筆記による試験などが中心。
これもやはり内科的な病気とは違ってきていますよね。
じゃあこれでこの項目はおしまいか、というとそうではありません。
というのが、
①「心の病でもうつ病に似ている病気」
もあれば、
②「内科の病気でうつ病に似ている病気」
もあるんです。
これをしっかり見極めて上げることが大事になるんですね。
①の方は病歴を確認して、違いを見つけていくのが中心。
②の方は検査結果でその内科の病気らしさを見つけていくのが中心になります。
少しだけ詳しく見ていきましょう。
①「心の病でもうつ病に似ている病気」
さて、さらっと上の書いていますが、
これを見極めるのはとても大変です。
これを見極めるのはとても大変です。
人の心、というのは本当にその人それぞれで、
同じ病気、と診断されていてもパターンが様々です。活動的な方も居れば、そうでない方も同じ病気の中でも居ます。
同じ病気、と診断されていてもパターンが様々です。活動的な方も居れば、そうでない方も同じ病気の中でも居ます。
そのため、最初の段階での診断が間違っていることもそう少なくはないです。
よく「誤診」と言われることもありますが、
言ってしまえばそうかもしれません。
言ってしまえばそうかもしれません。
ただ、「誤診」してしまうのも仕方ないくらい、
人の心はまだまだ解明されていない分野です。
人の心はまだまだ解明されていない分野です。
大事なのは「誤診」してしまったことをそのまま放っておかず、
「この薬やこのアプローチへの反応は悪い」
「ということはこっちの病気の方が近いのではないか」
と、患者さんと一緒に長く付き合っていくことです。
そうすることで「誤診」は「誤診」ではなくなっていくのだと思います。
ここではうつ病と間違われることがある心の病気を記載していきます。
一部、
「本当に心って言って良いの?」
という病気もあるとは思いますが、ご了承ください。
・統合失調症の感情障害
心の病気としては、こちらが一番有名かもしれません。
比較的若年で発症することが多い病気ですね。
大体思春期〜30歳までに発症し、50歳を超えての発症はほぼない
と言われています。
大体思春期〜30歳までに発症し、50歳を超えての発症はほぼない
と言われています。
典型的な症状としてはブロイラーの4A症状と呼ばれ、
思考障害・感情障害・自閉症・両価性
などが上げられます。
思考障害・感情障害・自閉症・両価性
などが上げられます。
加えてわかりやすい症状は幻聴や妄想などでしょうか。
80%近くの患者で被害妄想が出てくると言われています。
80%近くの患者で被害妄想が出てくると言われています。
え? なんかうつ病っぽくないね。
そう思われる方もいるかもしれません。
ただ、慢性期になると感情障害=「外界に対する無関心」が出現し、
感情が平板化してきます。そのためうつ状態や、
次にお話しするそう状態に患者さんが陥ることも多いと言われ、
これらの心の病気と区別していく事が大事です。
感情が平板化してきます。そのためうつ状態や、
次にお話しするそう状態に患者さんが陥ることも多いと言われ、
これらの心の病気と区別していく事が大事です。
実はうつ病も自分が沈んでいる時に、
幻聴が聞こえてくることがあります。比較的現実的な内容が多いのですが、
それでも簡単に区別するのは難しいです。
幻聴が聞こえてくることがあります。比較的現実的な内容が多いのですが、
それでも簡単に区別するのは難しいです。
・双極性障害
双極性障害とは、
そう病という比較的テンションがハイになり活動的になる時期と、
うつ病の様にテンションがローになる抑うつ期が
時期毎に交互にやってくる病気です。
そう病という比較的テンションがハイになり活動的になる時期と、
うつ病の様にテンションがローになる抑うつ期が
時期毎に交互にやってくる病気です。
もちろん、医師の目の前に「抑うつ期」で登場した場合は真っ先にうつ病が疑われます。
ただ、注意が必要なのは、その人に「うつ病」の治療を行うと、
「そう」の時期になったとき、困ったことになってしまいます。
「そう」の時期になったとき、困ったことになってしまいます。
イメージとしては、
「ハイになるための薬」を「ハイになってる時」に飲んでしまう可能性があるんです。
そのせいで活動性が過剰に亢進し、
日常生活に支障を来すおそれがあります。
「ハイになるための薬」を「ハイになってる時」に飲んでしまう可能性があるんです。
そのせいで活動性が過剰に亢進し、
日常生活に支障を来すおそれがあります。
なので、医療者は「うつ病かな?」と思った時、
質問で本人や家族に
質問で本人や家族に
「活動的になっている時期はありませんか?」
などと「そう」の時期があるかどうかを確認します。
ですので、可能であれば患者のみの受診ではなく、
普段の患者の様子がわかる方同伴で病院を受診されることが望ましいです。
普段の患者の様子がわかる方同伴で病院を受診されることが望ましいです。
②「内科の病気でうつ病に似ている病気」
さて、「心の病」についてお話ししてきましたが、
次は内科の病について。
次は内科の病について。
○薬剤性うつ
その前に今の社会では切っては話せない
「薬剤性うつ」
をお話ししていきます。
「薬剤性うつ」
をお話ししていきます。
「薬の副作用」についてはTVなどの影響か、
大分有名になってきたのではないかと思います。
大分有名になってきたのではないかと思います。
その中でもうつ病と似たような病気を起こすものがあることをご存じでしょうか?
有名なのは、「インターフェロン」
B型肝炎などの治療で使われますね。
後は、覚醒剤・鎮静剤の加療継続・ステロイドなどが有名です。
特にステロイドは最近多くの病気で使われることが多くなっている薬です。
「うつじゃないか?」と病院に行く際には、
必ず「お薬手帳をもって」病院に行って下さい。
必ず「お薬手帳をもって」病院に行って下さい。
間違っても、自分の判断で勝手に薬はやめないで下さいね。
あなたの病気のコントロールに必要不可欠な薬である可能性もあります。
さらに「ステロイド」は勝手に中断すると重篤な副作用が出てしまう事もあります。
かならず医療者に相談した上で、薬の変更を行って下さい。
○内科疾患
さて、今まではいわゆる「薬剤性うつ病」について。
ここからは内科の病気ですが、
どんな病気が「うつ病」を引き起こすのでしょうか。
どんな病気が「うつ病」を引き起こすのでしょうか。
有名なものは次の病気になります。
<うつ病と間違える内科疾患> ・甲状腺機能低下症 ・認知症 ・高Ca血症 ・低Na血症 ・副腎皮質機能低下症 ・ビタミン欠乏症:B1/B12 ・COPDや心不全などの全身症状を起こす病気。
たくさんありますね。
ただ、ここに上げたのは一部、になります。
いろんな病気がうつの症状を起こすんだなぁ・・・
そう思ってもらえれば充分です。
内科の病気なので採血や頭の画像検査によって除外していくことが重要ですが、
うつ病とは違い
実際に身体診察で何かしらの所見が出ていることが多いです。
そこを見つけ、
原因に対する治療を行えば、
うつ病の様な症状も解消することが多い。
原因に対する治療を行えば、
うつ病の様な症状も解消することが多い。
先ほど取り上げた中でも「認知症」との区別はとても難しいです。
一つだけ今日お話しするとすれば、
認知症は慢性発症。
家族に聞くと
家族に聞くと
「言われてみれば○○の頃からだったかも」
となることが多いです。
あとはうつ病と比べ、
出来ない事への「悲壮感・悲哀感」はないことが多いですね。
楽観的なイメージですかね。
それに比べて、うつ病は急性発症がメイン。
何かしらのきっかけで出現することが多いです。
また、悲壮感・悲哀感がむしろ症状の中心になることが多いです。
何かしらのきっかけで出現することが多いです。
また、悲壮感・悲哀感がむしろ症状の中心になることが多いです。
二つの病気の治療はもちろん違うので、しっかり区別して上げたいですね。
○診断基準
少し長くなってきましたね。
診断基準というと、2つ。
DSM-ⅤとICD-10と呼ばれている基準があります。
ただまぁ、これは難しいので知らなくても大丈夫です。
ここでは語呂合わせ、
いやこれも知らなくて良いのでは、という意見もありますが、
覚えやすい(らしい)ので紹介します。
わざわざらしい、と言ったのは、
僕が英語が苦手で覚えられないから、
というのもあります。
僕が英語が苦手で覚えられないから、
というのもあります。
「SIGECAPS」
なんだこの単語?
となるかもしれません。
まぁ、それはおいておいてください。
この単語、
実はうつ病の診断基準であるDSMの項目9つのうち、8つを抑えている頃になります。
実はうつ病の診断基準であるDSMの項目9つのうち、8つを抑えている頃になります。
つまり、この単語に加えてあと1項目を覚えてしまえばいいんですね。
ちなみにあと1項目は「抑うつ気分」。
うつ病と言えば「抑うつ気分」なので忘れていても
うつ病を疑った患者では基本的に出てきている所見になりますね。
うつ病と言えば「抑うつ気分」なので忘れていても
うつ病を疑った患者では基本的に出てきている所見になりますね。
「SIGECAPS」の語呂は以下の通り
S:sleep:不眠or過眠 I:interest:興味の喪失 G:guilty:罪悪感 E:energy:倦怠感、疲労感 C:cognition/concentration:認知機能・集中力の低下 A:appetite:食欲・体重の変化 P:psychomotor:精神運動機能低下(焦燥・抑制) S:suicide:希死念慮
この項目が当てはまってくれば、「うつ病かもしれない」となります。
前回お話ししたように、2週間以上続いてくれば、病院受診も検討してください。
ただ、区別が難しいものとして「死別反応」、
つまり親しい方との死別による反応があります。
つまり親しい方との死別による反応があります。
これについてはその時期は通常どんな方も落ち込むことが当然となります。
時間をおいて、それでも改善してこない、という場合にはきっかけで「うつ病」となっている可能性があります。
その時は病院を受診されてくださいね。
その時は病院を受診されてくださいね。
いかがでしたでしょうか?
難しい内容が、めちゃくちゃ長いページでしたね。
本日はいったんここでおわり。
明日は治療のお話しをしていきます。
そして、中でも大事な「希死念慮」について、お話ししていきますね。
今日のTake home messageはこちら
★★Take home message★★ ・内科の病気でもうつ病みたいな症状を起こすことがある ・受診の時は「お薬手帳を忘れずに」 ・心の病は診断するのも難しい。
以上になります。
難しい病気なので抱え込まず、医療者に相談することが大事です。
明日もお話ししますが、長い付き合いになる可能性が高い病気です。
一歩一歩、少しずつ向き合っていきましょう。
では、また明日。
今日も一日お疲れ様でした。
2019/05/14 masa
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