今日もなんとか更新できました。
前日に続き、
「アニサキス」という、
生のイカやサバが原因となることが多い寄生虫由来の病気について解説していきますね。
昨日の記事がまだ、という方は昨日の記事から読んでもらった方がいいかもしれません。
ちょっとマニアックな分野かもしれませんが、
生の魚介類を食べることが多い日本人にとっては無関係ではないですね。
付いてきて下さい!
それでは行きましょう!
基本的に昨日の
「アニサキス症 前編」でお話したように、
アニサキス症の中でも1〜3についてお話しますね。
詳しくは前回のページをチェック!(しつこいですかね笑)
4についてはお待たせしていますが、また次回の機会に。
では、行きましょう。
○診断・検査
さて、昨日の続きです。
早速問題です!
「アニサキス症」とは、
アニサキスの幼虫が体内に入り込むことによって引き起こされてしまう病気、でしたね?
では、その診断のためにはどうすればよいでしょうか?
・・・
そうです、
「アニサキスの幼虫が体内にいることを証明できれば良い」
ということになります。
体内にいることの証明で、確実なのは
やっぱり胃カメラ:上部消化管内視鏡検査です。
この検査では
胃、そして一部の小腸にいるアニサキスについては
見つけることが出来ます。
見つけたらそれをつまんで除去してやれば
痛みが速やかになくなります。
診断、即治療、という形になりますね。
ただ、腸の奥の方まで入っていってしまうと見つけることが出来ない場合があります(カメラが届きません・・・)。
そんな時は血液検査が代わりになることがあります。
前回、
「アニサキス症の症状はアレルギー症状かもしれない」という話をしましたね?
なので、
アニサキスのアレルギーがその患者さんにあるかどうか、
アレルギーの反応が体で起きているかどうか、
を確認してあげれば診断することができるんです。
とはいえ、
カメラで直接見つけることと比べると、
検査の陽性率、つまり確率が下がってしまう
と言われています。
それはそうですよね。
「ほら、ここにいるでしょ?」
ってできる検査と
「この血液データだからきっと奴はここにいるはずだ!」
ってする検査で、どっちが可能性が高いか、って話です。
なので、病歴を聞いた上で、
検査でアレルギーの値が高ければ「恐らく」アニサキス症ではないか、という形になるわけです。
また、CTや超音波検査などの画像検査を行うことで、
アニサキスの幼虫が悪さしている部位・反応している臓器を確認することもできますが、
結局「疑い」でとどまってしまうことが多いですね。
○治療
体内から除去してしまえば、ぴたっと症状が治まります。
緊急でカメラを行うこともあります。
では、腸の奥の方にまで行ってしまった時や、胃カメラをどうしてもしたくないときは治療の手段はないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
昨日の記事を思い出してもらえればと思いますが、
そもそも
「アニサキスも人間の体に入りたくて入ったわけではありません」
人の体の中で生きていける様な体の構造はしていないんです。
おおよそ数日〜1週間ほどで幼虫は死亡し、
症状がやわらいできます。
なので、その期間、痛み止めなどの対症療法で乗り切る、
という訳です。
ただ、痛みが激痛でいかんともしがたい、
そんな場合は手術に踏み切られることもあります。
また、痛み止め以外の対症療法として、
「アレルギー反応」であることを利用して、
抗アレルギー薬を使う事で症状が和らいでくる事もあります。
もちろん根本的な治療ではありませんが。
○医療者に伝えて欲しいこと
さて、検査・治療のところでお話したのでおおよそご理解頂いていると思います。
そう。
やっぱり「アニサキス症」でも、
「病歴:何を食べたか」が全てになってきます。
特に、胃であれば数時間前ですが、
腸で悪さしている場合、5〜7日ほど前にまで遡って何を食べたかを確認する必要があるんです。
もちろん医師に
「何か気になる食べ物を食べたことはないですか?」
などと聞かれるとは思いますが、聞かれずとも、
「そういえば生のイカ・サバ食べました!」
と伝えてください。
おそらく目の前のお医者さんは、
ヒントを得られて、とても喜ぶと思いますよ。
すくなくとも僕ならとてつもなくよろこびますね。
と、いうわけで、
今日のTake home messageは
・やっぱり何を食べたかが大事!
・胃カメラが診断にも治療にも重要!
今日は以上になります!
少し短め、でしたかね。
ではでは。
ただ、「アニサキス」の話はまだまだおわりません。
次回が、個人的に最も厄介だと考えている、
「アニサキスアレルギー」の話に移ります。
楽しみにしてた方、いるかわかりませんが、
お待たせしました。
では、失礼します。 またね。
2019/4/28 masa
コメント