月曜日も一日お疲れ様でした。
やっぱり一週間のうち、月曜日が一番疲れますよね。
今週も一週間、頑張りましょう!
さて、今日は「パニック障害」最終戦です。
本当に最後ったら最後です。
日にちをまたいでしまったので、覚えていない人は先週の金曜日のページを復習してきて下さいね!
③「パニック障害」の特徴があるか
いよいよ「パニック障害」の特徴を見極めた上で、
診断に迫っていきます。
診断基準ですが、
まず前回お話しした「パニック発作」を繰り返していることが前提条件です。
masa
これがなきゃ話にならない!
そして「パニック発作」が原因で
発作のない時でも発作が起こるのではという予期不安
または
「発作がおこるのではという恐怖のため、日常活動までねじ曲げられている」という日常生活における悪循環
のどちらかがあれば「パニック障害」と診断します。
前回の復習の様な内容ですね。
医療者で注意が必要なのは
「過剰な訴えの患者さん」を診た時です。
masa
今にも死んじゃいそうなんですっ!!
というような感じの人を見るとついつい
Dr.F
またまたそんなこといって〜
という気持ちが出てきてしまうことは良くあります。
ただそのような「詐病:つまり嘘」などを考える前に、
「パニック障害」を考えて診察を行うことが大事になります。
心配性な人、ではなく「パニック障害」です。
細かい事ですが、大事な所なので強調します。
大げさではなく、こころの病気に苦しめられている患者さんです。
もし皆さんの前に
「明らかに大げさなことを言っている」人がいたら。
「うそつき」と思う前に
「パニック発作」を起こしていないか。
確認して上げて下さい。
④「パニック障害」以外の心の病気があるか
今日まで3日に渡り「パニック障害」の話をしてきましたが、
「パニック障害」の患者さんは、それ以外の心の病気と区別することが重要です。
そして、それだけでなく。
「パニック障害」と他のこころの病気を一緒に持つ患者さんも多くいます。
少し前にお話しした「うつ病」は最も併発率が高く、30〜40%合併すると言われています。
なので
masa
パニック障害だな・・・
と思ったとしても、
「うつ病のスクリーニングの質問」を行うべき!
と言われています。
また、明日からお話ししていく
「PTSD」や「強迫性障害」、「社交不安障害」も
「パニック障害を」併発することが多い
「パニック障害を」併発することが多い
と言われています。
これがこころの病気の難しいところです。
同時にいくつもの病気が重なって、
患者さんに症状を引き起こしていることが多い。
ただでさえ難しいこころの病気なのに。
では、他のこころの病気のチェックをした上で、
どのように「パニック障害」の患者さんに向き合っていくか。
少しだけ、お話ししていきます。
○治療
先ほど「少しだけ」と話をしたのはなぜかというと。
原則「パニック障害」の患者さんの治療は
専門の「精神科医」に依頼するのが良いと言われています。
と、いうのも。
薬の調整が難しいことが多いからです。
じゃあただの内科勤務医に出来る事はないか。
というとそうではありません。
僕たちにも出来る事があります。
・僕ら内科医にできること
まず始めに。
うつ病でも不安症でもお話ししたことですが
パニック発作だとわかったら【すべき】という治療はない
ということです。
と、いうのも。
発作自体は20〜30分で治療をしなくても自然と収まります。
もちろん何もせずに見守っているだけでもいいのですが(内科の病気は除外した上で)
何より大事なことは
「自然と収まる」という経験を
患者さん自身と医療者、そして家族が共有すること。
それが今後のパニック発作への不安を和らげる事になるんです。
これが本当に大事。
先ほどものべましたが
「パニック発作による悪循環」がとても厄介!
でも。
その厄介な悪循環が、自然と収まる経験により少しずつ和らいできます。
もちろん長い道のりです。
一気に劇的には良くなりません。
始めの目標は
「発作が起きても対応できること」
そして
「発作の頻度の低下」
を経て、
「発作が起きなくなる」
へと段階を追って目指していきます。
また、
「パニック障害」であること、
つまり
こころの病気であること
それを患者さんに根気よく説明することがとても大事です。
本人の不安に共感した上で、
患者さんの身体に異常はなく生命の危険はないことをしっかりと伝えた上で、
発作が和らいでいく成功体験を共有すること。
患者さんの身体に異常はなく生命の危険はないことをしっかりと伝えた上で、
発作が和らいでいく成功体験を共有すること。
それが本当に大事になります。
くれぐれも
masa
気のせいだから心配ない/気にしないように
という助言だけで放置しないことです。
病気であることを伝え、
一緒に治療に向かっていく姿勢を示すこと。
一緒に治療に向かっていく姿勢を示すこと。
それがとても大事になります。
これは一般の方でもできそうですね。
あとは原因となることがあると言われている
「カフェインを避けること」
も大事と言われています。
長きにわたる「パニック障害」もこれにて最終戦です。
今日のTake home messageはこちら!
★★Take home message★★ ・パニック障害による「予期不安」と「悪循環」が問題! ・こころの病気は重なり合う! ・長い道のりを患者さんと共に歩くことが大事!
ではまた明日。
明日からは新しいこころの病気。
「強迫障害」のお話しをしていきます。
お楽しみに。
今日も一日お疲れ様でした。
2019/05/24 masa
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