このぶつぶつなぁに? 急性じんましん【2019/05/11更新】

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医者看護師夫婦が教えるcommon-disease
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○原因、そして医者に伝えて欲しいこと

 さて、もう一度お伝えしておきますね。
 「ほとんどの患者では原因物質は分からない事をが多いです!」
 ・・・
 わかりました?
 もう一度言いましょうか?
 じんましんはほぼ原因はわかりません!
 以上になります。
ありがとうございました(笑)。
 なんだか医療者としてなさけない様にきこえますが、
実際そうです。
 じんましん、として救急外来に来られる患者さんが、
「あ、そういえば昨日初めて○○を食べました!
 その時からぶつぶつが出てるんです!」
 なんてことはほとんどありません。
 普段と変わらない日常を送り、
 突然出てきたぶつぶつにびっくりして病院に来る人がほとんど。
 そして救急の場では詳細な検査が出来ないことも多いです。
 で、「後日外来に来てね」、って伝えたら、
もう治っちゃって外来にこない
 これがじんましんの患者さんの良くあるストーリーです。
 ただもちろん原因が分かる患者さんもいます。
 原因が分かる時は次の様なものがあります。
①アレルギー性じんましん
②物理性じんましん
③コリン性じんましん
④接触じんましん
⑤食物依存性運動誘発アナフィラキシー
 ひとつひとつご紹介するのはまたの機会にしますが、
これに関わる質問の答えが医療者に伝えて欲しい事項になります。
★伝えて欲しいこと★
 ・食べたもの、薬(特に新規開始)、
  環境の変化(職場・引っ越しなど)
 ・寒冷、日光などの皮膚への刺激
 ・じんましんが一部だけなら、そこに接触していた物
 (湿布やブレスレットなどないか)
 ・じんましんが出てきた状況(直前に運動してないか)  ・かゆみ以外の症状
 これに加えて、「アニサキスアレルギー」でお話しした、
 腹痛・呼吸苦などの症状がないかが大切です。
 少ししつこくなりましたかね。

○治療

 じんましんで原因が分からず、
長期的な付き合いになる場合はまた次回。
 その上で今回は救急外来に来た時にどうするか、
をお話しします。
 まず、「塗り薬」を使っている患者さんがおられます。
 さて、この塗り薬。

 「基本的に効果はありません」

 聞こえたでしょうか?
 「塗り薬はじんましんに効果はありません」
 じんましんに似た形で「虫さされ」がありますが、
 虫さされとじんましんは違うので注意が必要です。
 では、どんな薬が効果があるのでしょうか。
 飲み薬でアレルギーを抑える薬を使用します。
 特に、
 24時間以内に始まったじんましんに対しては、
H2ブロッカーと呼ばれる薬が効果があります
 救急外来で出される薬も基本これではないでしょうか。
 副作用としては眠気、が来ることがあるので、
 「運転して病院にきている方は注意が必要」
 です。
 また、ステロイド、と呼ばれる薬もありますが、
 こちらは薬自体の副作用が多いので、
アナフィラキシーと呼ばれる程症状が強くなければ必要はありません

本日は以上になります。
今日はすこし短かったかもしれないですね。
慢性じんましん、と呼ばれる、外来で長い付き合いになる病気についてはまた後日。
今日のTake home messageはこちらです。
★Take home message★
・じんましんは原因不明が多い
・じんましんは塗り薬は効かない
・ぶつぶつ以外の症状がないかが大事
以上になります。

新しい年号を迎えても、平和な日々が続くことを祈ります。
ではまた後日。
連続更新が続けられることを祈って。
2019/05/02 masa

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