対応が難しい。PTSDの話 前編

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医者看護師夫婦が教える精神疾患
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こんばんわ。
今週も遂に折り返し。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
今日もこころの病気の新しい病気。
PTSD:post-traumatic stress disorder
について話をしていこうと思います。
前もって決めた順番通りに投稿してます。
ただ、始めに少しだけmasaの思いを。
最近痛ましい事件・事故が増えています
それに伴い
残された被害者の家族・施設への報道が過熱しています。です。
「報道の自由」100歩譲ってわかりますが。
マイクを向けていることにより、
目の前の患者を傷つけている
被害者をいたわっているように見えて。
自分が加害者になっている。
その事を報道関係の方は自覚した上で行動すべきだと思います。
実際視聴者も馬鹿じゃないですし、
残された家族の気持ちを考えれば
事件の直後にコメントする余裕がないことなんて分かります
少なくとも僕は、
masa
一刻も早く残された家族の気持ちを聞きたい!!
報道しろよ!!
なんて思った事は一度もありません。
気持ちが分かるなんて口がさけても言えませんし、
想像すらできません。
とにかく時間をとって休んで欲しい。
それだけです。
他の方もそう思っているのではないでしょうか。
報道関係の方は今一度。
残された被害者の方への配慮と、
加害者になっている自覚をお持ち下さい。
さて。
masa

と、いうわけで。

多少切り替えるのには無理があるかもですが、
ここからはPTSDのお話。
PTSD:post-traumatic stress disorder
についてです。
これも長くなりそうなので、分ける予定です。
2編か3編か。
どうぞ、おつきあい下さい。

PTSDー前編

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PTSDの概論

 PTSDというと皆さんどんなイメージでしょうか。
 一言で言えば次の様な単語がでてくるのではないでしょうか?
フラッシュバック
 ふとしたなんでもない瞬間に、
辛い体験や感情がぶりかえしてくること。
 思いつかなかった方も、
後で詳しく説明するのでご心配無く。
 さて、
 この「フラッシュバック」に代表されるPTSDですが、
 こころの病気の中でも
「ストレス障害」の一種
 とされています。
 その中でも、
 「身に危険がおよぶストレス」
 をきっかけに発症する「ストレス」障害です。
 いわゆる「トラウマ体験」ってやつですね。
 よく聞きませんか?
masa
masa

「○○がトラウマなんだよね〜」

 って。
 そのトラウマ体験ですが、
 病気の診断基準(ガイドライン的なもの)DSM-5では、
危うく死ぬ・重症を負う・性的暴力を受ける出来事
 と限定されています。
 ただもちろんこれだけでなく。
 他人から見たら
masa

なんだそんなことか!

 と思うような些細な体験でも傷つくことはあり、
 結果的に患者さんの不安・緊張・落ち込みに影響を与えていることもあります。
 もちろん厳密に「PTSD」の診断にはならないかもしれませんが、
 こころで起きている反応は「PTSD」に見える患者さんも多いです。

PTSDの診断

 さて。
 ではそのPTSDの詳しい診断基準について。
 まずはイメージを持ちましょう。
 どんな人でPTSDと診断出来るか。
厳密なものではありません
①とても深刻なトラウマを経験し
②心理的苦痛を伴うフラッシュバックがあり
③フラッシュバックのきっかけになる出来事を避け
④体験をきっかけにネガティブに変化していて、
⑤いらだちや緊張、不眠などが出現し、
それが1ヶ月以上続き、日常が著しく障害されている。
 そんな人がPTSDと診断されます。
 イメージすることは出来たでしょうか?
 ドラマなどでも取り上げられる病気ですから
イメージ出来る人は多いかもしれませんね。

トラウマ体験について

 トラウマ体験ですが。
 「体験」とかいてありますが。
 本当にそうでしょうか?
 ここで、冒頭のメッセージにつながるわけです。
 実はトラウマ体験といっても様々なものがあります。
①直接体験
②出来事を直に目撃
③偶発的に近親者や親しい友人に起きた、
心的外傷的出来事を知る
④児童虐待へのなどの仕事で、強い不快感に繰り返し曝露
  この様な項目に当てはまってくるものを、
【トラウマを起こす出来事】としています。
  報道関係者の方は、
③を関係者の方々に伝え。
④を結果的に作り出してしまっているんです。
 しつこいですが、そのことだけは忘れないでください。

診断基準

 診断基準については既にもう話してしまった様な物ですが。
 PTSDの「P」に当てはまる項目で1つだけ。
 「PTSD」と診断するためには、
 次にお話しする【特有の症状】が1ヶ月以上続いて初めて、
 PTSDと診断することが出来ます。
 ここでは割愛しますがPTSDにも色々種類があります。
 トラウマ体験の後しばらくはいつも通り過ごしていても、
 ある日突然フラッシュバックで始まる人も居れば、
 受傷した直後からそのことを忘れられず
じわじわ引き起こす人もいます。
 後者を厳密に「PTSD」と呼ぶかはこの際置いておいて。
 【トラウマ体験】があり、
 【特有の症状】
 【1ヶ月以上続く】
 「PTSD」と診断出来ます。

特有の症状

 特有の症状ですが、4つあります。
 ただ4つが4つ、難しいです。
①過覚醒
身の危険を感じて交感神経が興奮し、
不眠・些細な刺激への過敏・易怒性が出現します
②回避
トラウマに関連する場所や物、人を避ける
③侵入現象/再体験(=フラッシュバック
 まるでタイムスリップしたかの様に
 音・におい・痛みなどの感覚を再体験します
④麻痺・解離
感情・感覚の麻痺や体の機能不全が出現したり、
自分が自分でなく感じ、現実感がなくなったりします。
masa

???

 となった方もいるかもしれません。

 ただ4つが4つ、
とてつもなく辛い症状であることは間違いありません。
 それだけ今日は分かってもらえれば十分です。

★診断した時の注意

 色々話してきましたが。
 今日お伝えしたいのはここです。
 仮に診断が付いたとしても、
 対応は本当に慎重に行う必要があります。
 患者さんはこころにダメージがあり辛い状態です。
 そこに医者や周りの人が不確かなこと言ってしまえば
 それがまるで絶対の事実の様に心にインプットされてしまい、
 結果的に患者さんを苦しめてしまうこともあります。
 明日また続きをお話ししますが、
 一歩間違うと簡単に患者さんを自殺に追い込んでしまいます
 それこそ、慣れた「精神科医」の先生でも、です。
 だから、少しくどいですが。
 報道関係の方は、
 自分の手に握る凶器の威力を自覚してから、
 関係者のインタビューを行って下さい。
 お願いします。

いかがでしたでしょうか。
今日はPTSDのイメージと診断、症状を中心にお話ししました。
あとはメッセージですね。
今日のメッセージはこちら。
★★Take home message★★
・直接出来事を体験せずともPTSDは起こる。
・PTSD患者の対応は慎重に。
・目の前の、もう1人の被害者を忘れるな。
最近うれしいニュースがなかなかありませんね。
辛いです。
何か良いニュースが飛び込んでくれば良いのですが・・・。
みなさんの明日が幸せな日々であること祈って
2019/05/30 masa

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