こんばんわ。
今週も遂に折り返し。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
今日もこころの病気の新しい病気。
PTSD:post-traumatic stress disorder
について話をしていこうと思います。
前もって決めた順番通りに投稿してます。
ただ、始めに少しだけmasaの思いを。
最近痛ましい事件・事故が増えています。
それに伴い
残された被害者の家族・施設への報道が過熱しています。です。
「報道の自由」も100歩譲ってわかりますが。
マイクを向けていることにより、
目の前の患者を傷つけている。
被害者をいたわっているように見えて。
自分が加害者になっている。
その事を報道関係の方は自覚した上で行動すべきだと思います。
実際視聴者も馬鹿じゃないですし、
残された家族の気持ちを考えれば
事件の直後にコメントする余裕がないことなんて分かります。
少なくとも僕は、
![masa](https://nextmed-at-home.com/wp-content/uploads/2019/05/masa.png)
一刻も早く残された家族の気持ちを聞きたい!!
報道しろよ!!
なんて思った事は一度もありません。
気持ちが分かるなんて口がさけても言えませんし、
想像すらできません。
とにかく時間をとって休んで欲しい。
それだけです。
想像すらできません。
とにかく時間をとって休んで欲しい。
それだけです。
他の方もそう思っているのではないでしょうか。
報道関係の方は今一度。
残された被害者の方への配慮と、
加害者になっている自覚をお持ち下さい。
加害者になっている自覚をお持ち下さい。
さて。
![masa](https://nextmed-at-home.com/wp-content/uploads/2019/05/masa.png)
と、いうわけで。
多少切り替えるのには無理があるかもですが、
ここからはPTSDのお話。
PTSD:post-traumatic stress disorder
についてです。
これも長くなりそうなので、分ける予定です。
2編か3編か。
どうぞ、おつきあい下さい。
PTSDー前編
PTSDの概論
PTSDというと皆さんどんなイメージでしょうか。
一言で言えば次の様な単語がでてくるのではないでしょうか?
フラッシュバック
ふとしたなんでもない瞬間に、
辛い体験や感情がぶりかえしてくること。
辛い体験や感情がぶりかえしてくること。
思いつかなかった方も、
後で詳しく説明するのでご心配無く。
後で詳しく説明するのでご心配無く。
さて、
この「フラッシュバック」に代表されるPTSDですが、
こころの病気の中でも
「ストレス障害」の一種
とされています。
その中でも、
「身に危険がおよぶストレス」
をきっかけに発症する「ストレス」障害です。
をきっかけに発症する「ストレス」障害です。
いわゆる「トラウマ体験」ってやつですね。
よく聞きませんか?
![masa](https://nextmed-at-home.com/wp-content/uploads/2019/05/km209000400605122210334-3.png)
masa
「○○がトラウマなんだよね〜」
って。
そのトラウマ体験ですが、
病気の診断基準(ガイドライン的なもの)DSM-5では、
危うく死ぬ・重症を負う・性的暴力を受ける出来事
と限定されています。
ただもちろんこれだけでなく。
他人から見たら
![masa](https://nextmed-at-home.com/wp-content/uploads/2019/05/km209000400605122210335.png)
なんだそんなことか!
と思うような些細な体験でも傷つくことはあり、
結果的に患者さんの不安・緊張・落ち込みに影響を与えていることもあります。
もちろん厳密に「PTSD」の診断にはならないかもしれませんが、
こころで起きている反応は「PTSD」に見える患者さんも多いです。
PTSDの診断
さて。
ではそのPTSDの詳しい診断基準について。
まずはイメージを持ちましょう。
どんな人でPTSDと診断出来るか。
(厳密なものではありません)
(厳密なものではありません)
①とても深刻なトラウマを経験し
②心理的苦痛を伴うフラッシュバックがあり
③フラッシュバックのきっかけになる出来事を避け
④体験をきっかけにネガティブに変化していて、
⑤いらだちや緊張、不眠などが出現し、
それが1ヶ月以上続き、日常が著しく障害されている。
②心理的苦痛を伴うフラッシュバックがあり
③フラッシュバックのきっかけになる出来事を避け
④体験をきっかけにネガティブに変化していて、
⑤いらだちや緊張、不眠などが出現し、
それが1ヶ月以上続き、日常が著しく障害されている。
そんな人がPTSDと診断されます。
イメージすることは出来たでしょうか?
ドラマなどでも取り上げられる病気ですから
イメージ出来る人は多いかもしれませんね。
イメージ出来る人は多いかもしれませんね。
トラウマ体験について
トラウマ体験ですが。
「体験」とかいてありますが。
本当にそうでしょうか?
ここで、冒頭のメッセージにつながるわけです。
実はトラウマ体験といっても様々なものがあります。
①直接体験
②出来事を直に目撃
③偶発的に近親者や親しい友人に起きた、
心的外傷的出来事を知る
④児童虐待へのなどの仕事で、強い不快感に繰り返し曝露
②出来事を直に目撃
③偶発的に近親者や親しい友人に起きた、
心的外傷的出来事を知る
④児童虐待へのなどの仕事で、強い不快感に繰り返し曝露
この様な項目に当てはまってくるものを、
【トラウマを起こす出来事】としています。
【トラウマを起こす出来事】としています。
報道関係者の方は、
③を関係者の方々に伝え。
④を結果的に作り出してしまっているんです。
④を結果的に作り出してしまっているんです。
しつこいですが、そのことだけは忘れないでください。
診断基準
診断基準については既にもう話してしまった様な物ですが。
PTSDの「P」に当てはまる項目で1つだけ。
「PTSD」と診断するためには、
次にお話しする【特有の症状】が1ヶ月以上続いて初めて、
PTSDと診断することが出来ます。
ここでは割愛しますがPTSDにも色々種類があります。
トラウマ体験の後しばらくはいつも通り過ごしていても、
ある日突然フラッシュバックで始まる人も居れば、
受傷した直後からそのことを忘れられず
じわじわ引き起こす人もいます。
じわじわ引き起こす人もいます。
後者を厳密に「PTSD」と呼ぶかはこの際置いておいて。
【トラウマ体験】があり、
【特有の症状】が
【1ヶ月以上続く】と
「PTSD」と診断出来ます。
特有の症状
特有の症状ですが、4つあります。
ただ4つが4つ、難しいです。
①過覚醒
身の危険を感じて交感神経が興奮し、
不眠・些細な刺激への過敏・易怒性が出現します
身の危険を感じて交感神経が興奮し、
不眠・些細な刺激への過敏・易怒性が出現します
②回避
トラウマに関連する場所や物、人を避ける
トラウマに関連する場所や物、人を避ける
③侵入現象/再体験(=フラッシュバック)
まるでタイムスリップしたかの様に
音・におい・痛みなどの感覚を再体験します
まるでタイムスリップしたかの様に
音・におい・痛みなどの感覚を再体験します
④麻痺・解離
感情・感覚の麻痺や体の機能不全が出現したり、
自分が自分でなく感じ、現実感がなくなったりします。
感情・感覚の麻痺や体の機能不全が出現したり、
自分が自分でなく感じ、現実感がなくなったりします。
![masa](https://nextmed-at-home.com/wp-content/uploads/2019/05/masa.png)
???
となった方もいるかもしれません。
ただ4つが4つ、
とてつもなく辛い症状であることは間違いありません。
とてつもなく辛い症状であることは間違いありません。
それだけ今日は分かってもらえれば十分です。
★診断した時の注意
色々話してきましたが。
今日お伝えしたいのはここです。
仮に診断が付いたとしても、
対応は本当に慎重に行う必要があります。
患者さんはこころにダメージがあり辛い状態です。
そこに医者や周りの人が不確かなこと言ってしまえば
それがまるで絶対の事実の様に心にインプットされてしまい、
結果的に患者さんを苦しめてしまうこともあります。
明日また続きをお話ししますが、
一歩間違うと簡単に患者さんを自殺に追い込んでしまいます。
それこそ、慣れた「精神科医」の先生でも、です。
だから、少しくどいですが。
報道関係の方は、
自分の手に握る凶器の威力を自覚してから、
関係者のインタビューを行って下さい。
お願いします。
いかがでしたでしょうか。
今日はPTSDのイメージと診断、症状を中心にお話ししました。
あとはメッセージですね。
今日のメッセージはこちら。
★★Take home message★★ ・直接出来事を体験せずともPTSDは起こる。 ・PTSD患者の対応は慎重に。 ・目の前の、もう1人の被害者を忘れるな。
最近うれしいニュースがなかなかありませんね。
辛いです。
何か良いニュースが飛び込んでくれば良いのですが・・・。
みなさんの明日が幸せな日々であること祈って。
2019/05/30 masa
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