初期研修医ってなぁに? 後半戦

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医者看護師夫婦からの後輩へのアドバイス
この記事は約8分で読めます。
こんばんわ。
今日も医学の知識を期待してきた人はごめんなさい。
少し違ったプライベート編。
「初期研修医」
の話をしていきます。
明日からはまた医学の話にもどるので、ご安心を。
ドラマよりもリアルに。
「初期研修医」の生活を書いていきましょう。
これを知れば、
「初期研修医」へのアプローチも分かるかも!
・・・ハードル上がりすぎですかね。
では、よろしくお願いします。

○「初期研修医」のプライベート

さて。
「初期研修医」のプライベートですが。
ぶっちゃけてしまえば、各自それぞれです。
と、いうのも。
あんまり他の職業の方と変わらないです。
意外に思われる方も多いとは思いますが。
強いて違うところを上げるとすれば
「他の職種の同年代よりも収入が多い人が多い」
「他の職種よりも拘束時間が長い」
「他の職種よりも緊急の呼び出しがあり得る」
と、言ったところでしょうか?
え?
多いって?
はい。
そうですね。
「初期研修医」は前回お話しした様に、
 2年間、基本的にはいろんな診療科
数週〜数ヶ月毎にローテーションする形で研修を行っていきます。
なので、そのローテする診療科によって、
普段の業務=始業時間および帰宅時間がかわります。
なおかつ緊急の呼び出しの頻度も変わります。

★ゆっくり目の科のローテの場合

具体的にどんな診療科がプライベートな時間が取れるかと言うと。
・麻酔科
・ゆっくり目の内科(呼吸器・糖尿病内分泌・腎臓など)
・放射線科
・救急科
 などがプライベートな時間はしっかり取れる印象です。

 麻酔科・放射線科は原則、病棟に入院している担当患者がいないことが特徴です。

 もちろん年次が上がるにつれて、
特に麻酔科は自分1人で麻酔をかけられる年次になれば、
 緊急の手術が入った時に呼び出されることはあります。
 ただ、病棟に患者さんがいなければ
 「先生。担当の○○さんの容態が急変しました!!」
 と、呼び出される事はほぼなくなります。
 なので、
 麻酔科・放射線科をローテ・研修している時は、
 終業時刻がすぎれば、本当に業務終了、となります。
 早ければ17時ダッシュも可能です(笑)
 あと、ここで上げた中で意外なもので言えば「救急科」でしょうか。
 もちろん救急科は、勤務時間はめっちゃ忙しいです。
 昼ご飯を食べる時間どころか、
 少し椅子に座る時間も足りなくなってしまうくらいには忙しいです。
 ただ。
 病院によっては入院患者を救急科は持たない病院もあれば。
 入院患者を持つとしても、救急科内で順番にパスしていくことが多い。
 つまり、
 勤務時間中にその患者さんに問題がおこれば対応するが、
 勤務時間が交替になった瞬間に次のDrにパス。
 といった形式が一般的ですね。
 なのでこちらもよほどのイベントがなければ。
 それこそ震災のようなことが起こらなければ呼び出しとなる事はありません。
 そして後は。
 病棟はもつものの。
 比較的のんびりで、緊急な処置がないであろう科
 内科の中でも糖尿病内分泌や、呼吸器・腎臓内科などが比較的上げられるでしょうか。
 もちろん腎臓内科での透析や、呼吸器科による気管支ファイバーなど。
 緊急性のある処置が必要になる可能性は0ではありませんが、
 次に挙げる様な内科と比べると確率はかなり下がります
 また、それぞれの診療科で入院になる患者さんの病気も、
 比較的ゆっくり進行することが多いことも要因の一つでしょうか。
 このような科を回っている場合。
 もちろん土日のような休日に朝患者を見に行ったりすることはありますが。
 基本的には病院にいることはなく、ちょっとした遠出も可能です。
 友人とご飯やそれこそデートなんてことも可能です。
 泊まり、となると、1泊2日が限界なことも多い(病棟に患者が居れば)ですが。
 上司に相談すれば許される場合もありますしね。
 つまり、
 医者といえどもほとんど一般の方のプライベートと変わりません。

★忙しい科をローテ中の場合

 では逆に。
 どんな科が忙しい診療科=プライベートが少ない科、となるのでしょうか。
 次の様な科がプライベートの時間が少ないことが多いです。
 ・外科系(外科・整形外科)
 ・循環器内科
 ・消化器内科
 みなさんのご想像通りでしょうか?
 いわゆる
 「緊急に処置しないと患者さんの命に関わる」
 ような診療科の場合は、
 さっきお話した科とは違い、休みの日や就業時間後でも業務があることが多いです。
 あとは単純に就業時間中がめちゃくちゃ忙しい
 外科などを例に挙げると、
 9時から予定の手術を17時まで仮にやるとして。
 この時間はOpe室の外には出れないわけです。
 つまり、
 この時間以外の時間で
 自分の担当患者の診察・カルテ書き・上のDrとの治療方針の相談など
 をすませなければなりません。
 1人で20人ほど担当になると、控えめにいっても地獄ですね。
 わかりやすくスケジュールを書くと、こんな感じですね。
<1日のスケジュール(仮)>
 朝7時前には出勤して、ラウンド。
 8時から検査チェックすると共に半分の10人のカルテを書いてOpeへ。
 合間があれば合間にカルテ書き。
 17時にOpeが終われば残りの10人のカルテを書くと共に、終わりのラウンド。
 その上に看護師さんからのコール、上級医からの指示。
 それに加えて緊急の患者のOpeが日によっては連続して。
 ね?
 控えめに言っても地獄でしょ?
 そして、当然ですが。
 緊急の患者さんは時間を選んではくれません
 昼夜問わず病院にやってきて、昼夜問わず上の先生・病院からのOpeの呼び出しがかかります。
 個人的には外科の期間はおもしろいこともあったのですが、
 やっぱりしんどいはしんどかったですね。
 休みの日はどうかというと、
 上の内容の、定期の9時〜17時のOpeがないので、すこし出勤時間が遅くなります。
 原則毎日出勤して、創部のチェックを含むガーゼ交換などがありますね。
 そして呼び出しがあるため、病院から離れたところには行けません
 僕が研修した病院の申し送りでは
 30分以内に病院に着けるところにいる、
 という決まりがありました。
 結構範囲が狭いですよね?
 なので外科の時はとにかく体力回復に努めてました(苦笑)
 他の循環器・消化器も同様です。
 Opeがそれぞれ
 心筋梗塞の治療のカテーテルや、
 消化管出血の際の内視鏡検査に変わると思って下さい。
 どちらも緊急で処置が必要になったときは呼び出しになるので、
 休みの日であっても病院から大きく離れることはできないし、飲酒もすることはできません
 なかなか体力的にもハードな診療科になります。
 なので
 もしごはんに誘って上げようとしてる「初期研修医」が居る場合。
 その子が何科をローテしているか
 確認して上げて下さい。
 その上で、ここで紹介した忙しい科が名前が挙がった場合は、
 その科のローテが終わるまでは見合わせるか、
 緊急で呼び出される事を踏まえた上で
 食事に誘って上げて下さい。
 その理解があるだけで、とても嬉しいものですよ。
 あ、もちろん、ここで紹介した科はあくまでも一例です。
 研修病院によっては、「この科は忙しい!」っていうのが違う場合も良くあります。
 医学生の方は見学の時にチェックしておきましょうね。
 そして、あくまでも「初期研修医」、
 つまり「ローテーター」の場合です。
 「後期研修医」となって「所属」となるとまた勝手が違うので、注意してください。

○「初期研修医」のその後

そんな忙しい「初期研修医」が終わるとどうなるか。
昨日お話しした「後期研修医」に進みます
最近は専門医制度が新しくなり、「専攻医」とも呼ばれますね。
このタイミングでも病院が大きく変わることが多いです。
と、いうのも。
「初期研修」で有名な病院が
「後期研修」でも有名とは限らない
 ためです。
つまり
「初期研修」期間の間に
もう一度病院見学を休みを取って行い、
その上で面接試験を受け、
自分の今後に適した病院を探していく
ことになるわけですね。
おわかり頂けたと思いますが。
「初期研修医」の2年間は本当にあっという間です。
1年目の4月から働き出してがむしゃらに過ごしていたと思えば、
すぐに「後期研修」の事を考える時期が来て、
病院見学などに費やす日々がやってきます。
もちろん他の職業の方もお忙しいとは思います。
ただ、周りに「初期研修医」の方がおられる方。
労をねぎらって上げて下さい。
どこか気分転換に誘って上げて下さい。
その上で、その方のローテに合わせたプランを考えて上げて下さい。
それだけで、
その方が「初期研修」の2年間を完遂できる可能性
はぐっ、と高まります。
と、いうのが。
「初期研修医」は
医師として駆け出しの時期でもあると共に。
社会人としても駆け出しの時期になります。
つまり。
医学部の6回生。
何しても許され、学部の中では一番上のポジションだった学生が。
いきなり「先生」と呼ばれ出し。
「社会人」としての自覚を持てと言われ。
「医者」としての責任を求められ。
それでも「かけだし」なので患者さんに求められることと自分に出来ることのギャップに苦しむ。
「ドロップアウト」してしまう人も多いんです。
「精神面が弱い」と言われてしまえばそれまでですが。
労働環境が改善しつつある今ですら、まだ時間外労働当たり前の世界です。
あなたの周りの「初期研修医」も顔に出していないだけで、
限界なのかもしれません。
そこに気づいて上げて下さい。
とってもよろこばれると思います。
特に、
真面目で責任感が強いタイプの人は、自分が限界だと気づいていないことも多いですから。

以上になります。
なんか、何が言いたかったのか・・・というような内容になってしまいましたね。
「初期研修医は忙しい」
まぁ、それが伝われば今日は充分です。
ではでは。
明日からまた「不安」の話をしていきますね。
お休みなさい。
2019/05/19 masa

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